騒いで、話して、考える「めんどくさい」女性になろう

神はフェミニストなのでしょうか? ：イ・ラン https://t.co/7VLb7LTw4O
— LIN 욘욘슨 (@linlinsz81) 2018年11月7日

イ・ランを知ったのは彼女のインタビューからだった。

フォト&インタビュー | イ・ラン「このピアスは乳首」「私はドラァグクイーンの時はイザベル」「あなたも香水つけてデモに行く？」 - FNMNL (フェノメナル)

立て続けにこの辺のインタビューを読んで、一体どんな音楽なんだろう、とリンク先のYouTube動画を見て、CDも全部購入した。
twitterでイ・ランが韓国内で何か賞を受賞して、その授賞式でトロフィーを競売にかけたというニュースを見た時は「さすがだな」と胸がすく思いだった。

イ・ランが韓国大衆音楽賞の受賞トロフィーをオークションにかける | インディーミュージシャンの窮状をユーモアで訴える - FNMNL (フェノメナル)

しかし早稲田文学増刊女性号に掲載された彼女のエッセイ『韓国大衆音楽賞トロフィー直売女』を読んで愕然とした。
当時の自分のツイートの中では「誹謗中傷」という表現を使っているが、これは「ネットリンチ」であり殺人行為だと思う。
実際、新宿ベルク店長とその取り巻きが一人の女性を寄ってたかって言葉で殴る「ネットリンチ」が行われているし、つい最近もとある女性ユーザーが同じようにネットリンチを受け、アカウントを削除してしまった。殺されてしまった。

読んでなかった。言葉が分からなくて読めなかったし）ミソジニーの展示会みたいな「トロフィー直売女殺し」の中でも、イ・ランの最後の文章は私の中に強く残った。これだけのために買ったようなもんだ。
— LIN 욘욘슨 (@linlinsz81) 2017年9月21日

この言葉の意味も⬇︎ここで知ったんだ。
しかし、酷いよね。
「黙って俺の話を聞いて何も考えない女が好き」だなんて、もし自分の好きな俳優やアーティストが発言したら、もう弁護の余地はない。一発で嫌いになるだろうな。
うん…それで嫌いになってしまった人がいるよ…

韓国でフェミニストたちの間でスローガンとして使われている言葉。とあるテレビ番組で男性タレントの「騒いでおしゃべりで考える女が嫌いだ」という発言を逆手にとって、「騒ぎ、話し、考える女性になろう」とスローガンにしてしまったもの。グッズなんかもたくさん作られたらしい。最高！ pic.twitter.com/5U8b3lAScY
— Younghwa | えーーか (@pinocoda4) 2017年10月26日

やっと今年の3/23にイ・ランのライブへ行ったよ。

CDやYouTubeで聞いてきたイ・ランの歌とライブのイ・ランの歌は全く違った、当たり前だけど。

綺麗なホールできちんと椅子に座って聞いてる私たちにイ・ランは「圧を感じる（笑」と言って戸惑いがあったみたいだけど（分かる）『平凡な人』を聞いた瞬間からもーずうっと涙止まらなくなってしまった。

なんでだろうね。

アンコールで『イムジン河』やる前に、イ・ミョンバクが捕まって最高に気分がいい！って言ってた。私もだ！

会場閉館が21:30だから21時にはライブを終わらせなければいけなかったのにギリギリまでやってくれたよー。
雨だし明日の仕事早番だから帰って来ちゃったけど公園のサイン会行きたかったよー。
バンド編成とても良かった。
ベースの男性がもうすぐ兵役に行かなければならず今回日本に来るのが大変だった、と。
「韓国は兵役があるから、男性は大事な材料。大事な『材料』に何かあったら大変だから」
ちょっとしたアクシデントがあってもそれも楽しめて、客席から小さいお子さんの声がしても誰もうるさいなんて言わないし思わない。
お酒飲みながら聞きたかったな。ㅋㅋㅋ

なんで私は昨日あんなに泣いたんだろう。
今日も仕事しながらずっと考えていたし、ふと気付くと『イムジン河』や『神様ごっこ』や『平凡な人』や『日記』を鼻歌でうたっていた。

あ、そういえば「平凡な人は日記を書くから」と言っていたなーそんな曲の流れも良かったなあ。

平凡な人の日記の中には自分についての質問がいっぱいなんです

自由意思のある一人の人がどれぐらい情けなくなれるのか

私は自ら実践しつつ生きている

その日記を読んでいる

ステージ上のモニターに映し出される日本語訳と、今韓国語で歌うイ・ランと。

ハングルはグラフィックとしての文字の形も素敵だし音もいいなあ、って頭の片隅で考えながら、なんか目からジャバジャバ水分が放出されて帰る頃にはカスカスになってた。

心は潤ってたんだけどね。