DoubleMintGum

I'm a Feminist,Shipper,Slasher and Fan girl.

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Curtain Call

커튼콜

2018年春に황정민の舞台『リチャード3世』を見に行きました。
その時のレポを本にして某映画系同人誌イベントで頒布しました。おかげさまで在庫もほんの少しになったので出せる部分だけ再掲いたします。

若干数在庫はあるので通販もやってます。紙媒体で全ページ読みたい方はどうぞ!(ダイレクトなマーケティング再び)


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ファン・ジョンミンが今回リチャード三世を選んだ理由「シェイクスピアがすごく好き。自分が演劇を始めた頃は古典演目が多かったが、最近はあまり見かけなくなった。観客たちに古典の面白さを教えてあげたい」
 公演期間約一ヶ月で長い方だが、ダブルキャスティングはしなかった。彼が全公演に主人公リチャード三世で出演というワンキャスト 。最近の韓国の舞台ではダブルやトリプル、四人、五人のローテーションでの主演も珍しくはない。
 事前にこのような兄貴の発言を読み期待感を膨らませ、久々の観劇の旅となりました。海外で観劇する事が多いので完全創作劇でない場合は事前に原作を読む、映画を見るなどして物語を理解してから、という心の準備は毎回します。今回は原作新訳版と、佐々木蔵之介主演、シルヴィウ・プルカレーテ演出の舞台で予習していきました(実際に見に行けなかったのでテレビ放送の録画で…面白かった!)

20180218 자체첫공 十四時公演

 一階席センターブロック。ただただ圧倒されて終わった気がする。上演時間百分のランニングタイムはまさに「あっという間」だった。実際行ってみて、あー結構若い人多いな、インスタ、ツイッターなどの口コミも大きく影響してるなと思った。そして私くらいの年代の人もいるし客層偏ってなくて幅広かった。
 ステージドアでのあれこれは巻頭の無配レポのとおりで…

20180303 十九時公演

 二階席後方。俳優の表情は全く見えないが舞台全体が見渡せる席。実際には非常に奥行きが深い舞台を、映像を取り込みながらわかりやすく簡潔にまとめた今回の演出、私は気に入ったなあ。
 終演後ステージドア前にいたらチェ・ドンフン監督が出てきた。出待ちペンが多すぎて対応出来ず去っていく兄貴に、先月見た時の感想文を韓国語で書いてきたのでそれだけを手渡しした…いやもう渡せないかなと思ったくらいだった。

20180304 자체막공 十四時公演

 一階席上手側ブロック。
 十三時半開場。十分前から扉の前に仁王立ちして劇場スタッフに圧をかけていた私は開場と同時にチケットをもぎってもらい中に入ったらなんと一番乗り。五分くらい誰も入って来なかった。その間誰もいない劇場の通路に一人で立って舞台を眺めていたんだけど、あれ、このシーンどっかで見た事ある何この既視感と思ったら直前に見た映画『シェイプオブウォーター』の一場面だった。
 兄貴のリチャードに何でこんなに情が移ってしまうのだろう。愛情が欲しくて拗れて捻れてしまった心が、何だか愛おしく感じてしまう。こいつ悪い奴なのに。原作を読んでもプルカレーテ版リチャード三世を見ても感じられなかった部分を兄貴は作り出していて、なんというキャラクター解釈だろう!と思った。現代の感覚で見てしまうとアンがリチャードに絆されるとこが理解出来ないけど、まああるかもしれん…って思わせてしまうのが兄貴版リチャードのすごいところ(にしてもアンのキャラクター造形がちょっと平坦だったな←個人の感想です)見ていて誰に一番共感しましたか?って聞かれたら、やはりリチャードです。
 脚本のハン・アルムは古典慣れしていない観客が見る事を想定して、キャラクターに説得力を与えるため新たに台詞も書き直したり、そのまま上演したら三時間超えになったであろう作品を大胆に削ったりと演出の潔さも良かった。
 最後の公演は席がとにかく近かったので、流れる汗もよく見えて息遣いさえも感じられた。上演中はもうマッコンだというのをすっかり忘れて見ていたが最後奈落に落ちていくリチャードの姿に、あ、これが最後?もう最後?と気付いて心臓がバクバクした。ヨジンさんの表情も必死になにかを堪えているのがはっきり分かった。私も舞台を見ながら手探りでタオル、タオル…涙を拭うタオルはどこ?というような感じで。
 そして韓国の観客の反応いいな。息をのむハッとした感じ、おお、うっ!みたいな感情をダイレクトに出すのがいい。今観客ものってる(入ってる)空気がビシバシと出ていてその波動が伝わる。カテコで全員素早くスタオベしたがその時にも、私の両隣の人がみんな「ひゅうううう!」「うおおお!」「ふぉおおおおおおぉ!」って叫ぶから、私も躊躇なくブラァボォォー!と叫べた。みんな何かしら叫んでいた。あれはとても良い。
 まずは通常のカテコ。兄貴は深い舞台の向こうから劇中のリチャードそのままの状態…背中を丸め、引き攣った左手とうまく動かない足を引き摺りながら…走ってくる。そしてスッと背を伸ばして、リチャードからファン・ジョンミンに戻るのだ。私はカテコからもう感無量。スタオベしながら涙がぼろぼろ出てくるのでタオルハンカチ出して拭かないと…でも拍手もしないと、ああ忙しい!という状態。ヨジンさんもカテコから泣いてたし、役者さんみんないつもよりお辞儀が深い。リチャードジョンミンが登場して喝采が最高潮に。照明が落ちた後も拍手鳴りやまず。何故なら今日はマッコンだから!
 客電がついて兄貴が「まだ先は長いので皆さん座って下さい。笑」と言うので全員着席。
 まず若手、子役から挨拶スタートでその間ヨジンさんと兄貴が順番どうする?ウンインさんの番が来たらジョンミンさんを飛ばして私が挨拶?みたいに打ち合わせ。兄貴が一歩前に出て「この舞台の上にいないスタッフも沢山関わってます、美術、音響、衣装、音楽、演出その人達にも拍手を」
 ここで監督登場。監督のお話の途中で兄貴が「じゃあ」って出てきたら、監督がえ?俺まだ話してるのに⁉兄貴があわわわわすいません。ヨジンさんにダメじゃないですかーって突っ込まれ、照れる兄貴。監督が挨拶終わって、はいもういいですよって兄貴に言ってまた笑いを。最後の締めの挨拶は兄貴が。非常に丁寧な言葉で観客への感謝の気持ちを。
「私は皆さんの芸人です。たくさん可愛がって下さい」そして前にも言っていた「素晴らしい演技を舞台で見るという事は同じ時代に生きていないと不可能です」…この辺は聞き取れなかったけど後から韓国ペンの舞台感想ブログを読んで知りました。
 ほぼ全員の役者さんが「ワンキャストで(中には一人二役もやってたので)最後まで怪我も事故もなく終わる事が出来て安心した」とも言っていたと。ウンインさんは兄貴が禁酒状態だったのをからかったみたい?そう、酒好きな兄貴が今回のために大好きな酒をほとんど飲まず(一週間に一日だけそれもビール一杯しか飲まなかったという)体調管理をして乗り切った一ヶ月だったもんね!

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