ジョン・キャメロン・ミッチェル主演の映画『Hedwig and the Angry Inch』を見たのは17年前。劇中の楽曲とともに大好きな映画だった。
조승우のファンになって、彼が韓国版の舞台『ヘドウィグ』をやっていたと知って床を転がりましたね(遅れてきたファンなのでだいたいいつもこう)
そんな思いをこの2年間毎日毎日ツイートしてきたのでここにまとめていきます。
ZODWIGが見たかったなー。
2013年、2016年版の公式CDを韓国のネット通販にて購入。
⬇︎2013年版CD
毎日聞いていたらジョン・キャメロン・ミッチェル日本公演を見た際に「あれ?歌詞が韓国語じゃない!」と思ってしまうほどに。本末転倒では?
⬇︎2016年版
この2016年版CDはスタジオ録音とライブ録音の二枚組になっており、どちらも良いのだがライブ音源はやっぱ臨場感が違うというか、怒涛のアンコールノンストップメドレーは最高。
よくこれを大音量でかけて掃除していたよ。掃除機をマイクスタンドのように振り回して一人で盛り上がったよ。行けなかったし見れなかったけど音源が残っているだけでも嬉しい。
韓国語の歌詞は、ほぼ原曲に忠実だけども、ひとつヘドウィグ好きとして気になったのが『Suger Daddy』である。
On the thrill of control,
Like the rush of rock and roll,
の部分が韓国語では
짜릿하게 휘감는 이 절정은 락 앤 롤
になっていた。ここの解釈の違いって大きいのではないだろうか、と思う。
三浦春馬、조승우のヘドウィグを語る
2013/11
ー8月に韓国に来てミュージカルを見ましたね。
조승우さん主演の『ヘドウィグ』を見ました。素晴らしいパワーを感じました。
アクシデントもあったのでより記憶に残っています。突然조승우さんのマイクの音が出なくなり、最初は演出かと思われるほど自然に対処して조승우さんがアカペラで歌いました。それが本当に良かった。
そんな時慌てないのは本当に実力のある人だけができる事。 突発的状況の中観客を放っておかずに再度舞台の世界に引き戻す力がありました。
チョン・ムンソン、조승우のヘドウィグを語る
2016/05
先輩である조승우とチョ・ジョンソクは「やってみなければ分からないが初公演は頭が真っ白になったり真っ黒になったりを繰り返す」と言っていて、実際にそうなった。
あまりの緊張で舞台上でセリフが止まってしまうミスをした。
セリフを忘れてしまったのではなく、次の手順が何か、頭の中で数多くの言葉がごった返してしまい思考が停止した。
幸いその日は客席に조승우が居た。
「誰が聞いても明らかに一般の観客ではない発声」で조승우の声が聞こえ、次の場面を叫んで助けてくれた。おかげで危機を免れることができた。http://mnc.asiae.co.kr/a.html?uid=79815&page=&menu=&sc=&s_k=%ED%97%A4%EB%93%9C%EC%9C%85&s_t=
⬆︎うわーーームンソンさん…これは生きた心地がしなかっただろうな…。そして승우自身もハクチョン時代の舞台デビューでセリフを忘れ、歌詞を間違えてせっかくの舞台を台無しにしてしまった、という苦い経験があるので(当時の승우の書き込みより)めっちゃ分かるんだろうね、その気持ち。
そして승우のヘドウィグを例えるならば「300年くらい生きてる三神ハメル(ハルモニ)みたい」って言ってて、なんかそれ凄く分かるような気がする。
三神ハメル/ハルモニ(おばあさん)=삼신 할매 トッケビの産神様だねー。
スージーQダンスは승우の一発芸なのか?
http://mnc.asiae.co.kr/a.html?uid=78778§ion=sc158
「化粧品CMパロディ見逃さないわよ、や、コメディアンの故이주일のダンスなど、熟練のトークとアドリブで観客を魅了した」って!
この이주일のダンスって승우の持ちネタなんだ!!(⬇︎승우の이주일ダンスについてはここでも書きました)
この記事読んだ時はコメディアンで故人のナントカさんって誰やねん、で終わってしまったけど…今、点と点が繋がって線になった。←大袈裟か…
ヘドウィグの時も舞台で이주일ダンスやったんだね、승우。
이주일のスージーダンスの元ネタはCCRの「Susie Q」で、有名なのは映画『地獄の黙示録』のプレイメイトのショーのシーン。
韓国では이주일が歌って踊ったのがヒットして、2000年にはBBQチキンのCMソングにもなってる。これ今の韓国の若い人にも通じるネタなんだろうか??
승우が子どもの頃にテレビで見たわけでしょう。そろそろアジェギャグの領域なのでは。若い子にとっては、スージーダンスなんて知らんわ!になってくるのでは。
CDで聴ける以外でどんなセリフがあったか知りたくて必死でニュース記事を片っ端から調べたよ。
毎日違うセリフ(アドリブ)だった、と조승우のヘドウィグを韓国で見てきたという件の知人に*1教えてもらった。どこからが台本でどこからがアドリブなのか全く分からない、と。
その時流行ってるCMソングとか時事ネタなども入れてたのかー。
조승우と『ヘドウィグ』の縁はとても深い。
2005年、2007年、2013年、2014年、そして2016年「ニューメーキャップ」もの間『ヘドウィグ』の舞台に上がった。조승우のヘドウィグは「ZODWIG」と呼ばれるほどだ。
彼は130分間完全にヘドウィグに変わっていた。
ストローで水を飲むスタイルまで特別な振る舞いなどは、すでに조승우ではなくヘドウィグそのものだった。
1階の観客には「手先が器用だったね(승우の公演はいつも血のチケット争奪だから피케팅と呼ばれている)」←よくチケット取れたね的な意味かな。
2階席の客には「クリックするのが遅いからそんな後ろの席なんだよ、ドン臭い」と言い放ち笑いを誘う。
更にグミベアのシーンで、ドン臭い二階席はグミベアと同じと辛辣にツッコミ。かと思えば「私のかわいいグミベアちゃんたち」と呼び、観客を思うがままにする。
意地悪な冗談と水が流れるような自然な演技、現実と虚構を行き来する조승우のアドリブ。舞台上から客席へのコミュニケーションは物語に没頭させ、いつのまにか観客たちはミュージカル『ヘドウィグ』ではなく、そこにいる歌手ヘドウィグのコンサートに来たような錯覚に陥る。130分にわたって繰り広げられるコンサートの中、観客たちはただヘドウィグの感情に沿っていくだけだ。
조승우はコンサートの合間合間に投げかけた台詞とロックスタイルのナンバーの中にヘドウィグの喜びや怒り、寂しさ、悲しみ、苦痛、歓喜を込めて舞台の上で爆発させる。歌とトークに熱狂した観客たちは、舞台がクライマックスに達した瞬間深い感動、そしてカタルシスを感じる。
公演が終わり、まるで好きな歌手のコンサートを見てきたように長い余韻に浸ることになる。ZODWIGのアドリブは他の追随を許さない。
「よそ見しないで、こっちは全部見てるんだ」一階席からのレスポンスが少ないと、バンドメンバーに「ここからは二階席だけ見てやろう」というように観客たちと駆け引きする。
「今日はタイミングが合わない。早く早く(映像を)変えてくれなきゃ」というアドリブでスタッフのミスまでも自然に公演の中に組み込んでいく。
「息切れして死にそう」と舞台の上に横たわったときは客席から悲鳴に近い歓声が湧き上がる。
普通は公演時間が2時間前後だが、ZODWIGはアンコールまで3時間近くなる事で有名だ。前シーズンのマッコンでは3時間40分という記録も打ち立てた。승우のミッドナイトレイディオは叙情的だが、チョ・ジョンソクのミッドナイトレイディオは情熱的。조승우はこの当時亡くなったデビッド・ボウィの事もアドリブで入れた。
2016/04
「なぜ遅れた? なんで遅れたか聞いてんの!」
조승우が開演時間に遅刻して入場した観客に向かって声を張り上げる。
おかげで客席は笑いの渦。しかし、この瞬間唯一笑っていないのはたった一人、まさにその遅刻者だ。
気後れしてつぶやくように小さく答えると、조승우がもう一度声を張り上げる。「答えて! 答えないの?」
すると、当の観客が涙を流した。一瞬凍りついた会場。
予想できなかった観客の涙に客席がざわついている。当惑したのは조승우も同じ。
「泣かないで、本当に泣いてんの?泣かないで」そうなだめる。だがそこはベテランではないか。
「泣かないの。また見せてあげるから」と遅刻した観客が見られなかった最後の部分を熱唱した。それも二回もアドリブをいれて。
客席から歓喜の声が上がり、遅刻した観客も涙を止めて拍手を送った。
海千山千の조승우の年輪を感じた瞬間であった。
どこから見ても林青霞
ものすごい既視感だったんだーこれ。
紛うことなき林青霞。
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