DoubleMintGum

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方言のこと

 韓国語の方言について、あれこれ

⬆︎このように語る二人。
今回の映画では、승우がいいパートナーになってくれた。ちょうど승우の母方が全羅道出身だった。

方言やなまりを正確に喋るという事は技術的要素であり、それは役者を名乗る以上大前提の条件である。完璧を追求するならその方言やなまりも自然なほうがいい。撮影前から専門家から集中レッスンを受け自身の(全羅道出身の)スタッフにもチェックしてもらった。幸いだったのは共演者のチョ・スンウさんが全羅道出身で彼がまた全羅道方言がとても上手だった。撮影中のモニターチェックの時、出番待ちの時、お互いに全羅道なまりで話していた。はたから見るとふざけているように見えたかもしれませんが僕にはそれが大きな助けになりました。

 伝説のプロ野球選手チェ・ドンウォンの実話を映画化した『パーフェクトゲーム』で「慶尚道男児」の義理と粘りを見せてくれた조승우は、この映画でも慶尚道方言を使う。

映画『パーフェクトゲーム』での釜山方言指導はキム・ユンソク

 

「慶尚道方言をどうするか悩み釜山出身の先輩キム・ユンソクを訪ねた。조승우はキム・ユンソクが方言で読みあげてくれる台本をそのまま録音して練習をした」

(ユンソクの自宅で)様々なバージョンのセリフを録音してもらった。ユンソクヒョンがスラングまで折り混ぜながら大声でセリフを喋るので、娘さんたちがびっくりした。ユンソク兄さんは「違う、これは演技だよ」と安心させなければならなかった。

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⬆︎조승우の方言指導 映画俳優キム・ユンソク
と『パーフェクトゲーム』のエンドロールのテロップにも出ている。

「今度はちょっと違うんです。ウ・ジャンフンのようにソウルに上がってきた場合には、普通方言が出ないようにするじゃないですか。地方出身であることを気づかれないよう。なので南道でも北道でもない言葉遣いになります」

 

「慶尚南道でも慶尚北道でもない言葉をどう表現するか悩んだが、釜山、昌原出身のアン・セハに助けてもらった」なるほどー、これ初めて聞いた。 승우の方言演技といえば『パーフェクトゲーム』ビックリするくらいいつもと喋り方が違う승우だった。

 

こちらのブログにはこのような投稿がある。

ー『内部者たち』チョ・スンウの方言が不自然に聞こえる理由ー
(略)もしやと思いこの二人の俳優の出身地を調べてみると、ソウルっ子たちだった。
二人とも今回の映画のために方言を習ったのだ。
私は釜山で32年暮らしている釜山っ子なので、チョ・スンウの慶尚道訛りが少しでもおかしかったら、すぐに聞き分けることができる。
映画の中でチョ・スンウが慶尚道方言の中に少しづつソウルの言い方を混ぜているのを聞いて、ああ演技中につい本来の自分の喋り方が出てしまったんだな、監督もNGにしなかったのだなと。
でも映画へのテンションが下がるほどではないと思った。
ところがインタビューを読んで驚いた。
「若い検事がソウル地検で引けをとらぬよう、なるべくソウルの言葉を混ぜて喋る演技をした」
そういえばウ・ジャンフンは実家の父親と電話で話す時は方言が出ていた。
チョ・スンウのキャラクターへの理解度が神の境地に達している。
イ・ビョンホンもペク・ユンシクもそうだが…

 

 

更に승우の方言での演技については、このような記事もある。

ーチョ・スンウの全羅道方言、マジかわいいですー
『神様がくれた14日間』キ・ドンチャン(チョ・スンウ)は、全羅道訛りを使う。
キ・ドンチャンの出身が全羅道ムジン(架空の都市)なので方言は当然なのだが、彼がこのドラマの主人公という点で見ると意外なことだ。(略)
『サラリーマン楚漢志』イ・ボムスが忠清道訛りを使うなど、主人公が方言を使用したドラマは、以前にもあったが、全羅道方言は異例だ。
普通ドラマで方言は「野暮で劣った人物」が喋るのが普通だ。
コンパニオンや運転手など特定の職業のキャラに限定され、脇役が主に方言で喋る。

特に全羅道方言は、暴力団など反社会的な人物たちの専売特許と見なされた。
1970〜80年代、軍部独裁政権を描いた『捜査班長』の中の犯人など、ドラマの悪役たちの大半が全羅道方言を喋った。
1998年、政権交代後、慶尚道方言を使う悪役が初めてまともに登場したが「全羅道方言=否定的人物」という公式は大きく変わることはなかった。
2010年『推奴』放映当時には全羅南道側が韓国作家協会などに「全羅道方言を書いてほしい」と建議したこともあった。
ユン・ソクジン忠南大学国文科教授は「地域に対する偏見が地域言語に対する偏見につながった。全羅道方言は否定的なイメージが強かった。ドラマの悪役キャラクターがそのまま使い、地域言語に対する偏見が深刻化された」と語った。

最近になって方言は主人公のキャラクター性を豊かにするものとして多用されている。
『応答せよ1997』がそういった拒否感を無くしたきっかけとなった。
多くの登場人物たちが釜山方言を使っていたが、地域の特色をよく描いて好評を得た。
ユン・ソクジン教授は「『応答せよ〜』は方言を通じて人物の性格と当時の文化を最もよく表してくれた作品」と語った。

『神様がくれた14日間』は方言が特別に悪いイメージで意識されず、ドラマに自然に馴染んだという点でさらに一歩進んだ。
何より、全羅道訛りはチョ・スンウ自身の選択だったという。
チョ・スンウの(当時の)所属事務所PLエンターテイメント代表曰く「キャラクターの感じがより豊かに表現出来るよう、チョ・スンウがやりたいと言った」
チョ・スンウの出身はソウルだが、母親の実家は全羅南道だ。
「母が普段から全羅道方言を使っているのを聞いて育ったので、今回のドラマのために勉強したのではない」とチョ・スンウは言う。

放送序盤ぎこちないという反応も多かったが、方言に対する否定的イメージを払拭させるにはチョ・スンウの演技力が一役買った。
わざわざ誇張せずに、むしろ普通に方言で喋るキ・ドンチャンのキャラクターを、身近で人間味のあるものにしている。(略)

方言でいけ図々しいセリフまで作り出すキ・ドンチャンのおかげで全羅道方言に対する好感も上がった。
方言が魅力的で個性的な口調で受け入れられているというのだ。
ブログなどには「全羅道の訛りがこんなに可愛いとは知らなかった」「方言を使ってもキャラクターが素晴らしいということを感じた」といった書き込みが散見されている。(略)

全羅道方言や全羅道に対する差別、及び映画『パーフェクトゲーム』で特に気になった「全羅道と慶尚道の対立」については、以下のリンク先に詳しく書いてある。

韓国の地域対立 - Wikipedia

 あと「地域に対する偏見が地域言語に対する偏見につながった」っていうの本当それ、それなーと思うし。
승우ママが全羅南道出身なの승우は誇りに思ってるんじゃないかな。ネイティブスピーカーと言っても過言ではないのでビョンホンもインサイダーズの時には大きな助けになったと。また点と点が繋がり線になるなー。

劇中ジャンフンは容疑者を調査する公的な場では標準語を喋り、日常では慶尚道訛りで感情を表現する。以前ドラマ『神様がくれた14日間』では全羅道方言を完璧に駆使した조승우だ。慶尚道と全羅道を行き来する演技に感嘆する。
「うるさく下品な言い方の演技のために悪口を収集しました。そして状況に合わせてバリエーションを出した。劇中に出てくる반 피플や뱅이 새끼などの慶尚道の悪態はそんな風に作ったアドリブです」

 

そうだったのか、あの悪態のバリエーションの数々も自分で集めてきたのか。


「英語下手」より怖い「方言下手」?俳優たちの方言学習方法とは?
ネイティブの知人から個人レッスンを受ける、語学研修、録音、電話する、など。

 

 

チョ・ジヌンさんも!ジヌンさん釜山出身だから、パーフェクトゲームでは승우の、悪いやつらではハジョッシの釜山方言のセリフに協力した。

 

 そして…

⬆︎ここでも書いたんですが、


慶尚道の言い方で「우리가 남이가」これをソンギュンさんがずっと言っており、조승우も真似していたり。승우が過去ミュージカル公演を行った大邱オペラハウスについても何度も言及していた。
そして『韓国「県民性」の旅』(鄭銀淑 著)を読んでいたらこんな一文が。

 

「映画『友へ チング』にウリガナミンガ(俺たちは他人か)、チングアイガ(友だちじゃないか)という台詞が登場する。これは釜山など慶尚道の男が重んじる義理人情や友情を表わす言葉だ。特に「ウリガナミンガ」。たとえば困っている隣人を助けてあげたとき、礼を言おうとする相手に対して「水くさいじゃないか!」といった意味で使われる。義理人情にあふれる釜山人気質を表わした方言だ。」

 

『チング』でもそのセリフあったっけ?そっちは全然覚えてなかった。
でも調べると大体우리가 남이가は慶尚道方言で身内、味方であることを強調する表現って出てくるから、大邱、釜山での舞台挨拶でお客さんにウケてたのもなるほどねー、と思った。

 

以下余談だが、前述の著書ではこの後に続くエピソードが地獄で、twitterハッシュタグの「#九州の男尊女卑」を思い出した。

義理人情に厚いのは確かにいいことだ。だが、義理人情にこだわるあまりの弊害もあるようだ。ある日、釜山の男と結婚した友だちが話してくれた。
「浮世離れしてるのよ。後輩たちとの酒代はいつも夫もち。馬鹿にならない金額よ。それはまだいいとして、お金を貸してくれっていう友だちに何百万ウォンも、私にひと言も言わないで銀行から借りてまで、貸したりするのよ。それも何回も。私がとがめると、当然のように『ウリガナミンガ』って。家族を差し置いてまで面倒見るのが男の義理なのかしらね。今日もね、友だちが事業を始めるというんで、その保証人になるとかならないとかで大喧嘩よ」

 

まさに男尊女卑とホモソーシャルの悪いところを煮詰めたような、呪いの言葉でもある、というわけか。

 

上記で紹介したブログで「조승우のキャラクターへの理解度が神の境地に達している」と書いている人のも載せてあるけど、あらためて素晴らしいなこれがプロフェッショナルの仕事だな、お金を払って見る価値があるなと思いました。
うっかりノリで神だの天使だのと言ってしまった事が過去あったので気を付けたいけど、私は、みんなプロの(そうでない場合でも)技術を駆使する人間として好きです。
「尊い」などと言って崇め奉るようにしたくはない、と思っています。
「尊い」人間などいません。

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