The Hong Kong movie "MacDull,Prince de la Bun"
見に行って来ました。今日。
渋谷東急本店の手前辺りの路地を入ると、この「おいしいパンとケーキの店」はあった。
40年近く渋谷で店をかまえていた、シンプルなごくごく「普通」のパン屋さん。
昔‥そう、まだ瀧乃家さんにお世話になっていた当時は、
「白鳥」というパチンコ屋の宣伝で、よくこの道でちんどんをやらせて頂いたものだ。
ちんどん屋の仕事からは、諸事情あって引退。←言うのも烏滸がましいがね。
渋谷の町を、もうちんどん屋は流してはいないのだろうか?
ここ以外にも、109から道玄坂をグイグイとのぼって行けば、看板建築の商店が連なって解体を待っていた。
うちの近所の看板建築も既にない。
看板建築をこの目で見る事が、もう出来なくなる日は近い。
目指すユーロスペースは移転しており、今ではON AREのお隣にある。
え?そんなの知ってる?
思えば、俺様が初めて「Blythe」を外に連れ出して撮影をしたのが、以前のユーロスペースへの同行が最初であった。
一緒に見た映画は台湾映画「シーディンの夏」でした。
ああ、懐かしい映画ばっかり‥
ああ、見たい映画ばっかり‥
さて、肝心の映画の感想。
今更何を書こうか‥
激しく興奮したわけではないし、激しく揺り動かされたわけではないし。
ただひたすらに香港で生まれて育った人が作った香港の物語であった。ただそれだけ。
少しだけ『金鶏』を思い起こさせる気がしたのは、
どうにもこうにも男のロマンに踏みにじられる女性と、その女性がまた男(息子)によって自分の存在を持ち続けるという構造が見えてしまったからだろうか。
麥太の人生を描けっちゅうとるんじゃない。とりあえず。
香港の60〜70年代というのは、「あの頃貧しかった香港。皆が何かに向かって生きていた」感があるだけに、それを描けば王家衛的になるか或はベッタリジットリ涙とノスタルジーにくれるかのどっちかじゃないかと。
それが今までの香港映画だったように感じる。
未来よりも過去よりも、今現在を生きる冴えない人々。
今となっては台湾や大陸ほどの泥臭さもなく、ただの都会に成り下がっただけの香港(?)それでも廣東語が聞きたくて、それだけで香港に行きたいと思うそんな俺様。
そんな映画。
ほどほどにそこそこに面白かったよ。