DoubleMintGum

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台湾壹週刊2002年8月29日号ー『痛快』胡軍

『痛快』胡軍

もし彼が教えてくれなかったら、今私の目の前にいる胡軍が、1994年に北京人民芸術院台湾公演で『鳥人』の査理役を演じていた人間と同一人物だとは気付かなかったであろう。あの当時、台湾の観客はベテラン舞台役者の林連昆や譚完堯に注目しており、胡軍の事など誰も知らなかった。
 あれから8年、關錦鵬の『藍宇』で今や彼は両岸三地(中国、台湾、香港)で最も話題の人気俳優に昇りつめた。

「まずは台湾ビールを一本」台湾でのファンとの晩餐会で彼はとるものもとりあえず言った。
ビールを空けて「は~!」の一声。満足そうな笑みを浮かべていた。
「痛快!人生は楽しまなくちゃいけない。こうやって台湾ビールを飲むようにね。この二文字だよ"很爽"(注:スカーっと爽やか!)ってね。私は自分の人生をとても楽しんでいる。人生って本来は苦しいものだ。何故かって?色んな欲望にまみれているし全てが思い通りにはいかない。でも日常の中で自分が幸せだ、と思えるものを見付けていければ"気のもちよう"でなんとでもなる」

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「あー!台湾ビールと牛肉麺、これの為に台湾に来たようなもんだ」

胡軍が語る時、特別に誇張しているわけではないがたちまちその声と表情が豊かになり、まるで漫談のようである。
「本当に台湾ビールが好きなんだ。飲んだ最高記録は十数本かなあ。今は撮影開始直前なのであまり飲めないんだけど」が、胡軍は台湾にいる三日間正に"今朝有酒今朝酔"(二日酔い)状態で、うち二日間は夜明けまで飲んでいたのだ。


 1994年舞台劇『鳥人』公演、昨年の『藍宇』での金馬奨主演男優賞ノミネート、そしてドラマ『背叛』台湾放映宣伝活動で三回目の台湾訪問となる。今回は特にリラックス出来ていると言う。
「一番最初に来た時の事は忘れられないね。とても新鮮だったけど、かなり落ち着かなかった。ちょうど地下鉄の敷設工事をしていたんでどこへ行っても"ドドドドドド"で、うるさかった。でも台湾の人は内地人(大陸の人間)よりも親切で優しい。
私達若手劇団員が街にくりだして、夜は国家劇院で舞台に出なきゃいけないのに、道に迷ってしまったんだ。地図を広げて困っているとスーツに革靴のサラリーマンが劇場まで連れていってくれた。
金馬奨の時は、また台湾に来れた!また台湾ビールと牛肉麺だ!大スターにも会える!って本当に凄く嬉しかったね。
香港でインタビューを受けたんだ。その記者は、あなたの演技は素晴らしかったからきっと受賞しますよ、と言ってくれたんだけど私の心中はこんな感じ(と言いながら手で目を覆う)。もちろん賞は欲しかった。"期待が大きいほど失望も大きい"。
だから劉燁が受賞した瞬間は本当にガックリきたね。しかしあの映画は二人で作っていったものだから、そんな気持ちもすぐに忘れたよ」

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『藍宇』の中で、胡軍は高官の子息捍東を演じている。十年に及ぶ藍宇との関係を描いた作品で彼の演技力を知らしめた。台湾金馬奨は逃したものの、香港金紫荊奨で主演男優賞に輝いた。
同性愛が題材である為に大陸では上映されていないが、この映画の人気は両岸三地に留まることなく、香港、台湾、馬來西亞(マレーシア)、フランス、アメリカ、星加坡(シンガポール)にも胡軍のサイトが出来たほどだ。


「確かに『藍宇』は自分の経歴の上で大きなターニングポイントとなった作品だと思う。『藍宇』以前も皆は私を認識してはいたけれど、『藍宇』後のそれは想像を絶するものがあった」


その通り、今の胡軍は女性にも男性にも大変な人気だ。
「『東宮西宮』も同性愛が題材の映画だが、『藍宇』の方が純粋だ。關錦鵬のような優秀な監督と仕事がしたかったし、シナリオにとても惹かれた。シナリオを読んだ時点で、この役に挑戦する決意をしたんだ。『藍宇』には本当に全身全霊を傾けて挑んだ。全てを投げ打ってね。毎晩、夢の中にまで科白が出てきたくらいだよ。關錦鵬には友人の紹介で会ったんだ。私は彼をかなり年配の人だと思い込んでいたから、最初にプロデューサーの張永寧に会った時こう言ったんだ"關錦鵬、はじめまして"。
彼は私と握手しながら"違う違う。監督はあそこに座ってるよ。あの眼鏡をかけてる人"と言った。
私は心の中で"え!あれが?"と思ったよ。關錦鵬はそんな私をずっと観察していたんだって。私達はたくさん喋って、飲んで、歌って、陳捍東というキャラについて話し合った。『藍宇』がカンヌ映画祭に出品された時は本当に緊張した。両手に汗をかいたほどなんだ。映画は何回も見ている、でもこれだけ入り込んだ作品はなかったから、ヨーロッパの観衆はこの"アジア映画"をどう受け止めてくれるのか・・・・ストーリー、キャラクター、情感といったものをね・・・・とても心配だったんだ。上映後はそんな杞憂も吹き飛ぶほどの拍手喝采でとても感動した。みな泣きながら捍東、藍宇と言っていた。
それに劇場を出たところでフランス人の老婦人が駆け寄ってきて涙を流しながら私の手をとってくれた。フランス語はまったく判らないけれどあの時ほど感激した事はなかった」

 胡軍は映画、テレビ、そして舞台にと活躍しているが、彼の父親は胡軍を声楽家にしたかったのだ。
胡軍の父、胡寳善、伯父の胡松華は大陸の著名な声楽家である。

私は彼に「歌手デビューしないかって誘いはないんですか?」と聞いてみた。
「今はまだ。私が好きなのは李宗盛や羅大佑のような男の情感のある歌。台湾の音楽プロデューサーの小蟲からもCDを出さないかという話はきてる。やってみてもいいけど、演技こそが本職だからね!」
  胡軍はいつも、もうすぐ一歳になる娘の写真を持ち歩いている。彼の娘はまるで男の子のように見えるのだが「あー!そうじゃないよ、私に似て色が黒いだけで将来は黒薔薇のように美しくなるんだよ」と言う。
「私は仕事が忙しくて、一年のうち二十日くらいしか家に帰れない。だから娘は"ママ"とは言うけど、"パパ"とはまだ言ってくれないんだ」

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以上、相変わらずの意訳、超訳そして抜粋です。

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