崔子恩(Cui Zi En)プロフィール
小説家、映画評論家、映画脚本家、映画監督。現在、北京電影学院理論研究室副教授。
※筆者が個人の調査により集めた資料の結果ですが、年代、作品などで間違っている所がある場合は、御指摘下さいませ。宜しくお願い致します。
素人による意訳ですが、翻訳文章の無断転載、及び無断引用は禁止です。
主な小説
『受到監禁的[りっしんべん/劉]和[金美]』(1995年、短編) | 『[才大力]核桃的極限』(1996年、中編) |
『桃色嘴唇』(1997年、長篇) | 『丑角登場』(1998年、長篇) |
『冥王星曲折文本』(1998年、短編) | 『孵化小恐竜』(1998年、中編) |
『[王攵]瑰床榻』(1998年、長篇) | 『三角城的童話』(1998年、中短編集) |
『土星時間零點整』(1998年、中編) | 『履歴衷的恥辱』(1999年、短編) |
『白露』(1999年、短編) | 『偽科幻故事』(1999年、中編) |
『日本遺民』(1999年、短編) | 『瀕危動物至上』(2000年、短編) |
『毎個人都是國王』(2000年、短編) | 『倉皇逃[しんにゅう/盾]與良機與夢想』(2000年、短編) |
『有人賛美聰慧、有人則不』(2000年、中編) | 『我愛的史大勃』(2000年、中短編集) |
『舅舅的人間煙火』(2001年、短編) ※ドイツ、DW-LITERATVRPEIS2001大賞受賞 |
『紅桃A吹響號角』(長篇) |
『偽科幻故事』(長篇) | 『公厠白金寳典』(中編) |
1997年5月、7年間に渡って同性愛をテーマにした小説に取り組み続け、遂に中國で初のゲイ小説『桃色嘴唇』を 出版する。当時の中国語世界、中國大陸における同性愛の現実を描いたこの作品は、台湾、香港及び海外で高い評価を受ける。しかし大陸では出版されずアンダーグラウンドな方法でしか入手出来なかった。また、彼はこの時あらゆるメディアで自らがゲイである事をカミング・アウトする。 1998~2000年、香港、廣州、北京で四冊のゲイ小説を出版。『三角城的童話』『丑角登場』『[王攵]瑰床榻』『我愛的史大勃』である。常に、同性愛をあるがままに描く姿勢は多くの読者から称賛され、中國大陸のメディアも彼に注目しはじめる。 2001年6月、『舅舅的人間煙火』がドイツの文学賞「Deutsche Welle Literaturpreis2001」を受賞。中國の同性愛文学が初めて国際的評価を受けた。 現在、彼は『東京地上、北京地下』という小説と、映画『肉体伴侶』の制作にとりかかっているという。 |
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出版された書籍 | |
『偽科幻故事』(2003年) | 『紅桃A吹響號角』(2003年) |
『桃色嘴唇』(2003年) | 『舅舅的人間煙火』(2003年) |
『光影手記』(映画評論集) | 『酷兒手跡』(エッセイ集) |
2002年、ニューヨークで「国際ゲイ&レズビアン人権委員会」(本部はサンフランシスコ)からFeripa de souza賞を授与される。中國大陸での同志(華人世界でこの言葉は、ゲイ、レズビアン、バイセクシャル及びトランスなどの性的少数者を表わす)の置かれた立場、環境を自らの生活の中で表現してきた。時にそれは小説であり、映画作品であり、また教育者として差別偏見を覆す 発言をし、この10数年同性愛という現実を常に中國社会に突き付けてきた。崔子恩はこの賞を受賞した初めての中國人である。 |
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主な映画作品 | |
『破碎的神話與未出場的少年主人公』(1991年、脚本) | 『烈火恩怨』(1991年、脚本) ※胡軍、映画デビュー作 |
『火車火車イ尓快開』(1992年、脚本) | 『關于初戀』(1995年、脚本) |
『歳月』(1994年、脚本) | 『裸体政治』(1997年、脚本) ※舞台劇 |
『男男女女』(1999年、脚本/出演)※35mm映画。BJ電影工作室。 日本では2000年に開催された第22回ぴあフィルムフェスティバル「中國語圏映画の最前線」にて一回だけ上映されている。(邦題『男たち女たち』) |
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『長長的遊戯』(2000年、脚本) |
『MASS』(2001年、7分、脚本/監督) ※短編。Cuizi電影工作室 |
『公厠正方反方(The Positive&Negative Pairies Of Public Toilet)』(2001年、脚本/監督) ※短編。Cuizi電影工作室 |
『旧約(Old Tesaments)』(2001年、118分、脚本/監督) |
『丑角登場(Enter The Clowns)』(2001年、100分、原作/脚本/監督) ※長編。デジタルビデオ。Cuizi電影工作室 撮影/袁徳強、録音/馮春、プロデューサー/張[丹彡][火韋]、呉偉方、劉淑景、崔子恩 |
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『瞼不變色心不跳(Keep Cool And Don't Blush』(2003年、70分、脚本/監督) ※長篇。デジタルビデオ。CUIZI DV STUDIO。製作GLORY2003 主演/馬克、劉然、曹昂、etc 2003年第27回香港国際映画祭アジアデジタルビデオ部門コンペティション出品。2003年長征アートプロジェクトでは、崔子恩映画祭が企画された。 |
『講故事(Story Time)』(2003年、脚本/監督) |
『夜景(Night Scene)』 (2003年、103分、脚本/監督) ※長篇。デジタルビデオ。CUIZI DV STUDIO。 撮影、録音/張暉林、袁徳強、助監督/于濱、主演/高洋、梁好斌、etc、友情出演/万延海、李銀河、張北川、etc |
『o艾呀呀、去哺乳(Feeding Boys,Ayaya)』(2003年、80分、脚本/監督) ※デジタルビデオ。CUIZI DV STUDIO。 撮影、録音/張暉林、袁徳強 |
『目的地、上海(Welcome To Destination)』(2003年、86分、程裕蘇監督作品、主演/崔子恩) ※2003年第27回香港国際映画祭において、崔子恩の監督作品とともに、DV部門コンペに出品された。 |
『蔓延(Man Yan)』(2003年、86分、脚本) |
この数年間、崔子恩は映画制作に多くの時間を割いている。1999年6月、脚本を書いた『男男女女』の中で主演も果たした。2001年に『MASS』と『公厠正方反方(The Positive&Negative Pairies Of Public Toilet)』の二本の短編映画で中國独立映像祭に参加。過去20年に渡る中國での同性愛を描いた『旧約(Old Tesaments)』は、三つのエピソードでHIVとAIDSを受け入れていく過程を表現した。 2002年、自らの小説を映画化した『丑角登場(Enter The Clowns)』では、性転換者(トランスジェンダー)の生活を描き、韓国で開催された第3回全州映画祭に参加した。 自らがキリスト教徒である崔子恩は、しばしば同性愛と宗教観のようなものをテーマに織り込んでいるようだ。HIV発症、性転換、セックスワーカー、ジェ ンダー、フェミニズム。まだ未見だが彼の映画から匂ってくる言葉の数々。何より強烈で痛切なアイロニー(っていうか、凄い嫌味!)を感じる。最新作では、自分の過去のトラウマともいえる事件(北京電影学院における「同性愛糾弾裁判=魔女狩り」)やら、要するに誰とでも寝る男の「セックス」の部分や ら、セックスワークの本質を突いているようにも。また北京のゲイシーンとの積極的な連帯を表明するかのように、北京市内にあるゲイコミュニティ、ゲイバー もそのロケ地、協賛として多く名を連ねている。李銀河、章義などの「旧友」たちを出演させるなど、フィクションとノンフィクションの境目をあやふやにして いるようにも、見える。 |
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主な評論著作 | |
『李魚小説論稿』1987 |
『青春的悲劇』1988 |
『電影羈旅』1993 | 『芸術家宇宙』1993 |