DoubleMintGum

I'm a Feminist,Shipper,Slasher and Fan girl.

Double your pleasure Double your fun,With Doublemint Doublemint gum.

第12回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

第12回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

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初参加は1993年、第2回映画祭@吉祥寺バウスシアターでした(遠い目)。
この数年はチラホラとしか行ってなかったが、今年は初めてフリー・パスを購入し、わざわざ職場で三連休までとって(笑)気合い満々で行って来ました!!
映画祭3日間のレポートでございます。
場所は青山スパイラル・ホール。

17/07/2003『ブリトニーに逢いたくて』


"Britney Baby,One More Time"
2002/USA,France,Netherlands/監督:ルディ・ボーケン

 オープニングはこれ!まずロビーがどんどんどんどん人で埋まって来て、 ひとり、また一人と仲間や友人と合流する。 いいよねー、うん、やっぱいいよーこの雰囲気がねー、などと言ってるうちに開場。
おお、そういえば私はオープニングに参加するのも初めてでした。
しょっぱなからドラァグ・クイーンたちの「ブリトニーそっくりさんショー」で盛り上がる。特に肉襦袢ゲブ美さんのダンスは素晴らしかったですね。
そして、 本日の主演にしてメインゲストの「天使」ベントン君登場。

 ブリトニー・スピアーズのそっくりさん大会で優勝した男の子と、彼を使って一儲けを企むセコい映画監督&スタッフ達との珍道中。
主人公のロバートは、本当に純粋に「ブリトニーに逢いたい!」という気持ちでいっぱい。行く先々で「本物」と間違えられる事で、瓢箪からコマ、じゃないが周囲の人間にハッピーを与えてしまう。
サンダンス映画祭にも出品したという本作は、なるほどアメリカン・インディーズな匂いを醸し出し、緩いながらもほのぼのしたギャグが楽しく、なんといっても愛すべき「天使」ベントン君のダンス&キュートな姿は、ロバートを演じ、更に劇中でブリトニーを演じる彼の素の魅力。心にぐぐっときました。その笑顔を見ると、つられて笑ってしまいます。
劇中、要所要所に「たきざわくん、すきー」とか「ハッピータッキースマイルー♪」とか、 おーい、それ日本人にしか通じないギャグでしょ!というのが満載で(一応なぜかとってつけたように「僕には日本人の血が流れています」という科白はあったが・・・・)ゆるい映画であるのだが、とっても好きっす。
 最後まで楽しませてくれたベントン君、ティーチ・インであれだけタッキーを熱く語るゲストは多分あなただけでしょう。客席にいた『GO』の行定勲監督から、タッキー生写真をプレゼントされた彼は、真っ赤になって大喜び。あははは。 幸せ気分で帰ってこれた。

 

18/07/2003『ミックス・スープ ガールズ短編集』『オレンジの憂鬱』

"Peeling" 2002/USA/監督:ハイディ・ボロック
 この短編集の中では一番短い13分。母親と二人暮らしの少女が、自分のセクシャリティを認めてくれない母との関係に悩む、日常のお話。
淡々とした中にも少女の「憂鬱」が漂う。家を出て、彼女の家に転がりこんでしまうっちゅーオチでした。

 

『ウォッチング・ユー』

"Watching You" 2000/Israele/監督:ステファニー・アヴラモヴィッチ 
 やーー、主演のシングルマザー、シャロンはかっこ良かった!
向かいの家の気になる美女は、いつも窓辺で物憂気に電話をしている・・・・その姿を盗撮するシャロン。
シャロンの彼女はタクシー・ドライバーで、これがどう見ても「女装した男」にしか見えないんだけど、それもまた良し、と(そうなんか?)シャロンと小学生の息子ヨニの関係も面白い。「ママとあなたができてるって思ってるんだよ」と、この三角関係をさらっと理解しちゃうしね。

 

『カミングアウト大作戦』

"On The Outs" 2002/USA/監督:コートニー・ロウ
 私はレズビアンじゃなーい!と頑に言い張る女性が、恋人の為に意を決してカミング・アウトをしていくも、同僚も友人も、果ては妹までもが「あなたがクィアだって?知ってたけど」
スカーっとしたオチが気分良かったです。

 

『イエロー・ペッパー』

"Yellow Peppers" 2000/Israele/監督:タマル・バルカイ、ロニット・フックス
 これはドキュメンタリーと言っていいんでしょうね。イスラエルのレズビアン・カップルがスープ・バーを開く。開店までの道のりと、彼女達二人の出会いや、生い立ち、日常の暮らしをカメラは寄り添うように写し出す。
イスラエルという国で、クィアが現実にどう生きていくのか。
男と女でもまた状況は違うし。全編に流れる音楽にも非常に反応したが、やはりラスト。
開店パーティーで『愛の賛歌』に合わせて、酔っぱらって踊る二人の姿は涙もんだったわ・・・・。

 

『ガール・キング』

"Girl King" 2002/Canada/監督:イリーナ・ピエトロブルーノ
 女しか登場しない寓話。本来「おとぎ話」が最も現実的で残酷で風刺にあふれているように、これも素晴らしく「ひっくり返った」世界で好き。
ブッチとフェム、タチとネコ、男役と女役の刷り込みを徹底的に(しかもセンス良く)ひっかき回しておりました。
なんちゅっても「ブッチ」役のおねいさん(ってかおにいさん?)がすごおおおおおおおおおおおおおいカッコ良かったあああああああああ。

 

さて、ここで後から来る友人YとOさんを待ちながら一人でロビー散策&お弁当タイム。
なんと物販ブースで、ソウルのクィア映画祭グッズ発見!トートバッグ&バッジを買って、早速使った。
と、おにぎりを食らう私に一人の青年が「えくすきゅーずみー」と声をかけてくるので「あ、私日本人ですけど」と日本語で答えてしまう。
彼は「I'm Come from Korea」と。
なんとこのソウル・クィア・アーカイブのスタッフだと言うじゃないの!自分達のグッズを使ってる私を写真に撮っていいか?というので「OK!OK!」ああ、話したいけど韓国語判らない!英語も咄嗟にでないよう!と、おにぎり片手にオタオタしつつもお話を。

「私はあなた達の映画祭の事を知っています。(去年『藍宇』上映したし<これは言わなかった)サイトも見ています。行ってみたいと思ってました」

ソウルクィア映画祭(以下S)「ありがとうございます!是非ソウルに来て下さい。次は12月にやります」

「私のサイトであなた達の映画祭のサイトを紹介していいですか?」

S「もちろんです、日本のクィア達にもっと知ってほしいです」

そしてお互いの住所(URL)交換など。彼等は、去年と今年の映画祭のパンフレットをプレゼントしてくれました!!嬉しかったです、ありがとう(涙)
この日私が会った方はソウル・クィア・アーカイブのプログラムディレクター、ソ・ドンジンさんでした。一昨年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にも、ゲストとして参加していたそうです(←見てなかった)
ソ・ドンジンさんからは後日このようなメールを頂きました。

Dear LIN,
Thanks for your deep interest and hearful support for our festival.
I was also glad to meet the friend of our festival in foreign country.
I guess that we might be one of global queer cultural scapes.
I wish that your favor and support will encourge our festival to gather up
more critical and friendly interests from audience communities.
Of course, I also hope that we could meet each other in our coming festival.
Our next project is scheduled around late december to show some prominent
achievements of queer documentaries. Near time to start the festival,
please check our official web site to inform more things.
best,
Seo Dongjin

 

『ボーイズ短編集 幸せの瞬間』『スケーター・ラブ』

"Blue Haven" 2000/USA/監督:ジュリアン・コーサーリー
 スケボー少年の恋。友人のフェイキーの性転換手術費用の為に、恐ろしい目に合うんだけど・・・とっても上手くまとまってて良かったなあ。
映像も好き。原題の『Blue Haven』とは、スケボー少年達の憧れである伝説のBlue Haven社製のプールの事。
もちろん水を抜いた状態でだが、そのプールのカーブを滑るのが彼等の夢なんだそうだ。やっと見つけた「Blue Havenのプール」を滑るシーンはなかなか美しかったです。

『触覚』

"Touch" 2001/Canada/監督:ジェレミー・ポデスワ
 ベースになったストーリーが何かあるようですが、重いテーマをまとめておりました。ザラっとした画面も好み。

『70歳の誕生日』

"Seventy" 2003/USA/監督:アラン・ブロッカ
 わあああお、最高!文句なし!タイトルロールも、薬の瓶にスタッフ、キャストのクレジットが書いてるというセンスが気に入った。
70歳にして思いを遂げたじーさん達。入れ歯を外す所は爆笑でしたが、最後のオチには更に爆笑。

『天使』

"I am Not What You Want" 2001/香港/監督:洪榮傑(Kit Hung)
 はい、うちのサイトでは実は去年からオナジミの映画。私が見たのは今年ですが・・・・。
いやー、こうやってスクリーンでキチンと見るとかなり良かった。若い二人はやはり海洋公園(香港狭いので、他にめぼしいデートスポットがない)でデートするのね。
いちゃいちゃする姿が非常に可愛らしい。若さだわ。
監督自身も若いと見えて、やたら色んな撮り方をしたがるのがちょっと落ち着かないが。
香港という、開けた都会に見えて実は最も保守的な社会の片鱗も見えたんではないかと。そしてVCDでは見逃していたが、最後のテロップで「Big Thanks To YAU CHING(游静)」の文字。あはははー。前から知ってたけどさ、やっぱ私達(<図々しい!!)は繋がっているんだよ。という冗談はさておき。
『心灰』の鍾徳勝や、それらの自主製作映画を送りだす「影意志」絡みの人間関係である。もちろん游静の『好郁』のテロップにも、洪榮傑の名前は出てくる。
余談ではあるが、ソウル・クィア・アーカイブでも昨年のプログラムでこの『天使』と、游静の"Suet-sin's Sisters" (1999)が上映されてるんです。やはりアジアの映画祭では、アジア作品を(ただでさえアジアのクィア映画なんて、見る機会が少ないんだし)積極的にやってほしいなあ~と思う次第。

『愉快なフェリックス』

"Drole de Felix" 1999/France/監督:オリバー・デュカステル、ジャクース・マティニュー
 いいよねーこの映画。泣いたし、それ以上に笑った。
大人の映画だった。大好きです。
あまりにさりげない表現なので、主人公のフェリックスがHIVポジティブだと気付かないくらいだったわ。気付いたけどね。
旅の途中で知り合う人々が子供もいたが皆大人で「個人」だった。この旅で重要だったのは、目的ではなくその手段だった。「巡礼」ともとれる内容です。

 

『お笑い短編集 ファビュラス・ヒーローズ』


Gay Pimp『サッカー・プラクティス』"Soccor Practice" 2002/USA


『ルッキン・キュート、フィーリン・キュート』"Lookin' Cute,Feelin' Cute" 2003/USA

『バイタニック』"Bitanic" 監督:コーキー・クゥエケンブッシュ

『グラアァディエイター』"Glaadiator" 2001/USA/監督:ルカ・ペセル

『レザボア・ダイクス』"Unhung Heroes" 2002/USA/監督:イリヤ・パールマン

『正義の味方はひょっとしてゲイ・デュオ?』"The Ambiguously Gay Duo" 1998-2000/USA/監督:J.J.セデルメイアー

『Pimp&ho三部作 国際クィア秘密情報部員ピンプ&ホー』"Pimp&Ho Trilogy" 2001-2002/Canada/監督:マーク・ケネス・ウッズ

 もおおお、死ぬほど笑った! なんっつたって!NYからあのゲイ・ピンプと、カナダからはピンプ&ホーが来日! ゲイ・ピンプのショーのアナウンスが「Ladys&Queers!!」だったのも本当に気持ちがいい!
司会「ゲイ・ピンプさんはNYでどんな活動を?」
ゲイ・ピンプ「世界中をゲイにするのさ!」
司会「それは壮大で素晴らしい計画ですね!」
次回、来日したら「日本人を皆ゲイにしてやるぜ!」だそうです。
素敵ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

そして、日本代表のホラー系ドラァグ・クイーン、エスムラルダさんの「天城越え」のショーで、映画が始まる前に涙を流して笑い過ぎました。素晴らしいです。苦しいです。疲れました。
映画も嘘みたいに楽しかった。 アニメの『もしかしてゲイ・デュオ?ひょっとしてゲイ・デュオ?』にも腹抱えて笑った。ピンプ&ホー作品はどれもチープな作りと、ゆるーーーーーーーい間と、くたくたなギャグと、粗末な完成度がたまらない。

 短編もいれるとこの日は16本見た事になり、お腹いっぱいでグッタリ。

 

19/07/2003『スピン』

"Spin" 2002/UK/監督:キャス・レ・コートワー
 10分の短編。 イギリスーって感じ。

『ナイン・デッド・ゲイ・ガイズ』

2002/UK/監督:ラヴ・カイ・モウ
 これもイギリスだわなー。曲のセンスが最高に私好みでかっこいいったらありゃあしない!サントラ欲しいっす。
昨年のカンヌで、途中退場者続出も納得。だって下品で下品で徹頭徹尾「下ネタ」だらけ。でもセンスいいけどなー。

『恋する男達』

"Men In Love" 2002/日本/監督:池島ゆたか
日本のゲイポルノです。なぜどいつもこいつも薄手の超ビキニなパンツなんじゃ、とか、射精シーン(お約束のようである)でのペニスはどうも嘘くさいな、とか。
普段は見ないジャンルだけに、ああなるほど、と細かい部分が大変新鮮に感じられました。
 池島監督と脚本家、主演俳優達などをゲストに迎えてのティーチ・インで、とんでもない事をほざく観客のオヤジがおりました。 曰く「この映画を見てとても残念に思いました。ただ露骨なセックスシーンばかりで、内容がない」・・・・会場に流れる「こいつアホか?」の空気。
監督も反論してましたが、この映画は「ポルノ」なんですよ。 これを見に来る普段の客層は、ストーリーはどうでもいい、男同士のからみが見たい、セックスシーンが見たい、というそれだけ。
その制約の中で「あってもなくてもどうでもいい」と思われてるストーリーで、どう自分達のやりたい事を表現するか、なんだ、と。
もっとシリアスな映画は他にあるでしょーが。嫌なら「ポルノ」は見なさんなおっさん。 そういうものと比べて語ってる時点でアホだ。
面白かったですよ。肉親へのカミング・アウトとか、男同士での育児の問題とか、「ポルノ」なりに盛り込んでおりましたよ。 ティーチ・インでの謎の司会者さんの素敵なまとめ方もキョーーレツ。
「ド迫力のオ●ニーシーンでした」「なるほど、濃厚なからみです」「職人ワザといえますね」など、彼の名言に目のくらむ思いでした。
あのお兄さんは一体誰?→後に彼は山田広野さんであると判明。

 朝からこれでもかーこれでもかーと、映画を見ていた友人Oさんと私は、ここでちょっと気分転換の為外を散歩。 酒屋でビールと焼酎を買って、外の風に吹かれながら飲みましたら・・・・

『カフィリスタンへの旅路』

"The Journey To The Kafiristan" 2001/Germany/監督:フォスコ・デュビーニ、ドナテロ・デュビーニ
 飲みすぎて爆睡しました。
起きて画面を見れば・・・・砂漠。まだ砂漠。ずっと砂漠。
福島から東京にかけつけたPさんから、後でどんな話だったか解説されたうちらでした。
あ、ちなみに上映前の説明によりますと「映画祭パンフレットには、この映画のあらすじで「1939年アフガニスタンのカブールへドイツ人民俗学者のアンヌマリーとエラは調査に向かった」とありますがスイス人の間違いです」との事でした。

 

20/07/2003『ラウンジの隣人』

"Holding Patterns" 2002/USA/監督:PJラベル
 短編。うむ、まあまあっていうか。

『シェイク・ユア・ハート』

"Shake It All About" 2001/Denmark/監督:ヘラ・ジューフ
 北歐デンマークのゲイ映画。同性のカップルがいきなり誕生パーティーで「結婚しよう」と切り出す。そう、デンマークは法律で同性同士の婚姻が認められている。もちろんこのカップルにこの後次から次へと、トラブルが・・・・はーーーー、凄いベタな展開だったけれども、やはり成熟した文化を感じさせる映画。
今回、これだけまとめて欧米のクィア映画を見て思ったのは、欧米でのクィアたちってやっぱアジア圏とは違う(当たり前なんだけどさ) 私達は横の繋がりが強く、しかし縦に弱い。縦割り社会の在り方に対する反発は個人的には強いけど。この映画などもそうだが、自分の会社の同僚や家族にもカミング・アウトをして、地域のコミュニティ内での暮らしがある、というのは、一概には言えない問題ではあるが成熟した人間のあいだでしか成り立たないよね。 個人主義のないアジア圏ではそんなものは夢でしかないんだろうか。
Oさんが語ったのは 「でさあ、欧米の映画って、必ずホームパーティーのシーンあるじゃない。そんで皆で音楽かけて踊りまくったり、あと主人公二人がムーディーに部屋でチークダンス踊ったりするよねえ。アジア圏の映画でそーゆーのって・・・・あんまりないよね。例えば『藍宇』で、別れの朝捍東と藍宇がチーク踊ったりとか、捍東の出所祝いの鍋パーティーで皆が踊りまくったりって、考えられないっちゅーか」 と。 アジアだって沖縄や韓国など日常に歌や踊りがある文化というのはあるけど。確かに欧米の感覚とは違うかもね。
 んで、この映画。彼氏が自分の義理の妹と浮気して、出来た子供を結局パートナー同士や皆で受け入れて育てていくのだ、というオチで、とりあえずは「ハッピー・エンド」だった。
が、「ちょっと無責任だよねえ主人公のあの男も」「そうそう、やるならやるで自分で全てまっとうする覚悟がないならセックスすんな!」「そうだ避妊しろ!」と息巻いたんですが・・・・
追記:これ10年後に気付いたんだけど、主演がマッツ・ミケルセンだったんですね!

 

『アイ・ラブ・ユー・ベイビー』

"I Love You Baby" 2002/Spain/監督:アルフォンソ・アルバセタ、ダビ・マンケス
『フレネシ 愛じゃない、それは熱』"Mas que amor, frenesi (Not Love, Just Frenzy)"の監督の作品。
なんて素敵なスペイン映画(泣) 黒沢年男似のマルコスがなんでこんなにもてるのか理解出来ないが、この映画のタイトルにもなった『君の瞳に戀してる』は、かの名曲にして皆様御存知のとおーり「ゲイの歌」であります。
切ないけれどもとっても明るい。辛い現実の日々だけれどとことん前に向かう。
ダニエルは女装してもしなくても、とってもカッコイイ。
ゲイのダニエルと、独身の中年女性カルメンの関係、移民として都会で働く女達。そういう女達がとっても輝いていた。
最後に登場したボーイ・ジョージは美輪明宏ばりのおばさまになってました。ああ最高!!!
そして、今日会場に来る予定だった監督は、かわりにメールでメッセージをくれたそうです・・・・「僕の恋人の母親に会いにアルゼンチンに行かなければいけないのです。これも僕と恋人との関係を円滑に進める為ですので御理解下さい」って。

『行き場をなくした子供たち』

"Out In The Cold" 2001/USA/監督:マーティン・ベドン、エリック・クリスウェル
 アメリカの現実。アンハッピーな現実。CNNとかでやりそうなドキュメンタリー作品。
クィアであるという差別から、学校や家を追われた子供達が路頭に迷い、ホームレスになり売春をする。 上映後のディスカッションでも言われていたが、アジア圏はまた問題が違ってくるのだ、と。
欧米はカミング・アウト後に壮絶な差別もあるが、また理解や既に確立されたクィア文化もある。アジア圏ではまず「臭いものには蓋」をして聞かなかった事、見なかった事、いない事にされてしまう。精神病院にぶちこんで座敷牢に閉じ込める、そんな驚くような事実もあるんですよ。と言ってたが、そうね、私もごく身近にそういうものを感じている。成長の過程で、間違ってる汚いおかしい育て方が悪かったなどと言われ続けて、まっすぐな心を持てるわけがない。
問題提起と今後のアクション、という課題ですね。

『マンゴー・スフレ』

"Mango Souffle" 2002/India/監督:マネーシュ・ダターニ
 印度だわーー色んな意味で。
舞台劇っぽい展開、と思ったら監督さんは元々舞台の脚本などを手掛ける人だという。自分の元彼氏が妹のフィアンセ、という所から起こる、様々な悲喜劇。
ゲイである、という事をひた隠すフィアンセに最後びしっと訣別する妹がかっこよかった。ここでもやはり、映画はひたすら印度社会のハイソサエティな人々しか主役になってないけど(仲間内での会話は英語。自分ちの使用人にはヒンディー語で話す)、面白かった。

 

 こうして私の怒濤の3日間は終わりました。それにしても、各回それなりに人が入っていて、フリー・パス人口も多かった気がする。

 来年もクィア映画三昧な夢の日々を楽しめるといいなあ。