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『夜景(Night Scene)』

『夜景(Night Scene)』 (2003年、103分、脚本/監督)

      

 これはフィクションであり、ドキュメンタリーであり、インタビューやテレビ映像をコラージュした新しい形の映画である。
         羊羊は大学生。彼は自分の父親が同性愛者だと知り、父の行動を探った。父親が秘密裏に男娼斡旋をしている事も知らなかったし、自分が男に一目惚れするとも思っておらず、またその男が男娼だと思いもよらなかった。
         羊羊は同性の恋人、好斌と日に日に親密になっていく。だが彼は好斌が男娼と知って絶望してしまう。羊羊はゆきずりの男と寝てしまう。
         山東省の小さな町から来た男娼、小斌の話ーーこの仕事は自分の人生に、消えない影を残すと思っている。彼は今、浮気症な男を愛している。煙草の火を自分の腕におしあて、傷つけることによって己を認めている。
         陜西省の農村から来た男娼、劉の話ーー男に体を売るのは、楽しい事もあるしそうじゃない事もある。でも今だけの事でこれを一生続ける気はない。
         彼は小斌同様、そこで恋人を見つけた。彼は相手にフェラチオをして、自分の肛門を使ってセックスする。 専門家の李銀河は「男性のセックスワーカーは、実は女性のセックスワーカーと同じなのです」と言う。
         河北省から来たバーテン、小喬の話ーー体を売った事は一度だけある。客は彼にフェラチオを要請する。彼は自分の一番愛した人とキスしたいと思う。もうこの仕事からは足を洗う決心をしている。         「寛容で、開放された社会の基準は、セックスワーカー達である」と専門家の甄里は言う。
         小hanはいつも金がなく、17歳の時から客をとっている。彼は大学の同級生にも有料でサービスを提供している。 小鴻は二週間男娼をやって、ちょうど二人の客をとった。
         専門家の張北川は「男娼がみんな農村地帯から出て来ているのは、収入が全くない階層であるからだ」と言う。
         男娼、小野猫ーー両親が離婚したから。大学生、小星ーーガールフレンドも彼の売春に賛成している。収入が増えるならいい、と。
         非合法な男娼斡旋業の社長は、彼らを競わせて売り上げ倍増を狙う「どの分野でも卓越した人間はいる」。
         冬冬ーーどの分野でも卓越した人間がいる、という社会主義思想がこの男娼隊にも適用出来るとは思い到っていない。
         専門家の万延海曰く「彼らの仕事はハイリスクだ。この存在に対してもっと目を向けて話し合うべきである」また専門家の劉恵によると「彼らは既にHIV検査をしており、結果は全員陰性でした」。
         羊羊の父親はショーを演出する。男娼達は皆着飾って舞台に現れる。その中には羊羊に愛された好斌の姿も。

      

監督のコメント
         これは全ての映画の常識からは外れている。標準的なフィクションではなく標準的なドキュメンタリーではなく標準的なインタビューではなく、また標準的な 社会人類学の専門フィルムでもない。しかしこれはフィクションでありドキュメンタリーであり、インタビューであり、社会人類学の専門的フィルムでもある。 十分な真実がここにあるから。そして虚構(フィクション)とは真実の中にこそあるからだ。
         この映画は中國がもっとも敏感に反応する「売淫」をテーマにした、しかも同性への「売淫」である。中國では「売淫」は不法行為であり、また同性愛は不道 徳であるとみなされている。作品中、フィクション部分とドキュメンタリー部分に登場する人々は、皆監獄にぶち込まれる危険性と同時に、この不法な職業に従 事している。彼らは、ある者は単独で街頭に立ち、ゲイバーやサウナや公園へ行き買い手を探す。またある者は非合法経営の店に所属する。また専門の育成訓練 機関も存在する。         中國政府は毎年「ポルノ一掃」と称して、このような非合法職業人を大量に刑務所送りにする。もちろんその中には男娼、男娼斡旋業経営者も含まれる。
         作品中、実際に男娼(映画の中では『少爺』)やその経営者を出演させ、現実部分を強調している。少爺は少爺を演じ、自分の本当の経歴とストーリーを語 る。だが同時にこの映画はそんな現実の尺度だけにこだわらない。私達はまったく彼らとは面識がない中で、若い男の子達が、自分が少爺である、というその経 験を聞かされる。なんの障害もなく楽しく少爺を演じ、開放感さえ味わっているようであった。もちろん、撮影中私達も拒絶に遭った。彼らが少爺として映画に 出演する事で、公安に見つかる事を恐れたのだ。また映画を友人に見られたら、彼らの「賤しい」仕事を郷里の家族に知られたら。プロの役者にもそれはある。 そのような役を演じ「汚染」されて堕落したくない。観客の中にあるいいイメージが壊されてしまう事だけを心配する。それでも私達の35日間の撮影は、感動 的なシーンにまで辿り着いた。シナリオに沿って、プロの役者が演じるシーンからドキュメンタリー部分まで。中國の現在の情勢下で最も展望性のある学者と社 会学者を取材し、彼らから少爺現象の見解と考察を聞く。        
         撮影した素材の長さは23時間で、予想以上の長さになってしまった。編集しても3時間近く。更にそれを当初の予定の90分前後にまで編集。(以下、撮影機材などの話になるため省略)
        (撮影、録音/張暉林、袁徳強。 編集/高傅杰、祁江。 ポストプロダクション音声/[羽/隹]立新。 特殊効果/任毅、王飛。 助監督/於濱、蘇七七。  英文字幕/柯鴻岡。 字幕/高●。 主演/高洋、梁好斌、喬斌、葛英[日含]、孫昭達。 友情出演/万延海、李銀河、張北川、郭雅埼、何旭陽、章義、劉 恵、鄭宏霞。 演出/何勇、劉浪、於迅、權威、趙廣明、董子佳、賈戈、馬克、魏星、孫一冰、喬愛宇、郭翔、緑牡丹、祁江、姫小鴻、艾瑞、候亮亮、連晨超、 浩浩、姜寳龍。 感謝/Sikko         Boonstra、馬克、宋輝、王兵。 製片人/劉淑恵、彭家毅。 監製/崔子恩。 カラー、英文字幕、PAL)

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