DoubleMintGum

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映画『反則王』を見てきた

『 反則王』

2000年/韓国 監督/キム・ジウン 

昨年の韓国映画興行成績第4位の『反則王』を見てきた!
(ちなみに韓国では、興行収入ではなくて、ソウル地区の映画館に何人客が入ったか・・という動員数のみで成績をくくるようです。)
監督は『クワイエット・ファミリー』のキム・ジウン。主演は『シュリ』『グリーン・フィッシュ』のソン・ガンホ。


 しがない、冴えないサラリーマンのイム・デホ。毎日、上司から仕掛けられるヘッドロックをかわしたくて、ふらふらとプロレス道場に入門してしまう。いい加減なプローモーターに乗せられて、あれよあれよという間に謎の覆面レスラー「アシュラX」としてデビュー。リングの上での自分と共に、普段の自分にも段々と自信が湧いて来て・・・という、まんまプロレス版『ShallWeダンス?』でも、これが面白いのはそんな理屈もふっ飛ばす、笑いの勢いがあるから。「携帯電話ネタ」「父親ネタ」等、細かいエピソードの積み重ねが効いている。
 それに私何を隠そう元プロレス・ファン。地方巡業(試合)まで見に行ったり、道場見学にも足を運びレスラーの皆さんを近くで見てきましたから「適当なプロレス描写が出て来たら許さんからね」と、つっ込み気分満々で挑んだのだ。

驚いたのは、主演のソン・ガンホが吹き替え(スタント)なしでやっている!という所。素人にはかなり危険を伴うトップロープからのジャンプや、大技バックドロップまで、ほとんど自分でこなしている。これだけで映画の説得力がかなり違ってくるというもの。

上映終了後のティーチ・インでは「2ヶ月間という短い期間でしたが、役作りの為、毎日6時間は特訓しました」と語っていた。なる程ねー。技のキレも結構サマになっていたよと感心。
監督の好きな日本のレスラーは「隼選手です」だって。

映画を見る限り、プロモーターと所属選手の関係、団体の運営など、韓国プロレスが日本のそれととても似ている。そのせいか、道場内の人間関係や試合の舞台裏などがとてもリアルに見えた。「ルチャ・リブレ」という覆面プロレスの本場である南米では、昼間は教師、牧師、会社員、etcで、実は覆面レスラーという人が(で、ファイト・マネーを孤児院に寄付しちゃうようなタイガー・マスクみたいな人が)日常的に沢山いる。そんな「日常」映画だなーと感じさせてくれた。
 全体的に流れる空気が、すっとぼけている。ソン・ガンホの演技も、抜けた感じが上手い。舞台演劇っぽいな、と思ったらそちらの下地があるらしい。