DoubleMintGum

I'm a Feminist,Shipper,Slasher and Fan girl.

Double your pleasure Double your fun,With Doublemint Doublemint gum.

見てきたんだけど

www.instagram.comそういえば年末だかにポン・ジュノとガンホさん日本に来て舞台挨拶していたんだっけ。
東京国際映画祭で『殺人の追憶』見た時に監督もガンホさんもパクヘイルも来たんだよなー。しかもわし舞台挨拶付きだとは知らないで行ったんだよなー、などという思い出をぽやぽや浮かべつつ、前評判がすこぶるいいのでそれなりに期待しつつ見た。

面白かったし、あーこれはパルムドールとってもおかしくないなーと思った。

でも、

めっちゃモヤモヤしてしまった。

japan.hani.co.krわしは人生で一度も「就職」というものをしたことがないし、会社の「正社員」になったことがない。フリーランスとして生きてきて、常に、常に、いつも、いつも「いつ食べていけなくなるんだろう。いつ家賃が払えなくなって賃貸マンションを追い出されるんだろう」という恐怖を抱えており孤独死する自分という、絶望感しかない将来には不安がある。
安易に目先の快楽に飛びついて、一瞬でもその不安を忘れようとするダメダメな人間だし。まあ好きなものがあるからなんとか心の均衡を保っていられるんだけどねー。
今現在、自分がいるこの日本の中での格差や不平等そして差別という「構造」の問題に悩み苦しむ被害者でありながら、同時にその構造に組み込まれ加担している加害者としての自分の存在と、どう向き合っていくかをずっと考えている。
だからこそ、そこをどう捉えて表現しているのかが気になっていた。

「格差社会」という構造をエンタメとして仕上げた手腕はさすがーと思うし、やっぱりうまいよね。
でも、なんつーかいつもの事ながら登場する女性キャラクターの視点からこの世界を見た時に、まったく異なる風景が見えるんじゃない?と思ってしまった。
それはこの映画が描かんとしている問題の本質の部分、その「核心」である。
本質を描いているようでそこはやっぱりアンタッチャブルなんだ、そこには触れないんだ。ふーんそこは避けたいんだー。
それを「無自覚」でやっているんだとしたら、やっぱたちが悪いな。
誰もそこから降りない、降りようとしないのか。

あとねー、結構みなさんが声出して笑う場面や描写でわしは身につまされすぎて、過去のトラウマすぎて顔がひきつり胃が痛くなった。
ああーそうだねーここ「笑うとこ」だねー。そうやって「普通」に笑って見るのはきっと正しい鑑賞の仕方だと思うよ。演出も構成も上手いし。
でもそこで笑う人々が今その足の下に踏みつけているものは何だろう、って。ね。
この映画を享受する状況そのものが恐ろしくおぞましい光景だなー。シュールだなー。

そんな感想です。

映画は面白かった。

⬇︎去年から早く見たいなーって言ってたからな。

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