DoubleMintGum

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映画『ガッジョ・ディーロ』

Gadjo  『ガッジョ・ディーロ』(1997年/フランス、ルーマニア)        

 ロマの音楽に憧れた「ガッジョ・ディーロ(よそ者)」のフランス人青年が、彼等の村に飛び込んでいく物語。これは私を含めた多くの「部外者、よそ者」がどう音楽(人間或いは生活)と向き合っていくか、という映画じゃないかなあ。

 

よそ者の青年ステファンは、ロマの村に入り込み生活をする。例えば彼の存在はフィールド・ワークに来た文化人類学者であり、バックパッカーだ。ロマの歌や演奏をテープに録音して「採集」するのだ。
が、ある「事件」からステファンは変わっていく。ロマの娘サビーナとの恋愛と、楽士イジドールが亡き親友の墓の上で踊るのを見てからだ。
生活の中で歌や踊りが生きているので、感情表現がすべてそれに繋がる。悲しくて踊るし、怒りのあまり歌ってしまう。うーん、なんて自然で豊かなんでしょ う・・・なんて悠長なもんじゃない、偏った常識しか持っていない我々から見ると「いかれてる!」としか思えない時もあるが、その姿こそが本当に「健全」なんだ。感情はその場でぶちまけていけ!踊れ!歌え!
郊外でひっそり暮らすロマたちも、近隣の村人から迫害される。ロマの村は焼き討ちにあい全焼。宴席に呼ばれた楽士たちと、その場を離れていたステファンとサビーナだけが難を逃れる。
さて、よそ者ステファンはどうするか?
彼は自分が「採集」してきた歌のテープを葬る。墓を掘りテープを埋葬し、その上で踊る。

この映画でプロの役者は二人だけ。ステファン役のロマン・デュリス。『ドーベルマン』('99/フランス)にも出てました。(何と彼、実際撮影中にロマの女性と恋に落ちてしまったらしい!どーりで何かリアルだと思ったよー)と、サビーナ役のローナ・ハートナー。いやあこのローナが凄い好み。監督曰く「ニナ・ハー ゲンを思い出す」おお、ドイツ・パンクの女王ニナ・ハーゲンですとな。確かに素晴らしい存在感で、激しく魅力的。

映画はステファンが歩いて来た道で始まり、これからサビーナと共に歩むであろう道で終わる。

が、「道」はまだ終わっていない。