DoubleMintGum

I'm a Feminist,Shipper,Slasher and Fan girl.

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1998香港 2

再見!啓徳空港 1998年5月27號~5月31號

5月27號 最後だから  

7月にあの啓徳空港がなくなってしまう。
町中に突っ込んでいくかのごとくスリリングな着陸にすっかり味をしめた私達なのに。
まだ香港にはまったばかりなのに。次に行ったらもうあれはないの?!
行くべし。今のうちに。
今回は終日自由行動のみのツアーにするべし!

1蚊(HK$)=約18円
全日空がガラガラに空いていて、まさに「全日空」(あ、これって廣東語おやじギャグ?)でしたので、勝手に窓際を占拠して写真を心おきなく撮りまくる本当に、干してある洗濯物まで見えるんだあ。

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啓徳機場、最後のお仕事は1998年7月。
ビル群めがけて突っ込んで行くかのような着陸も、今となっては体験出来ない。香港人にとって「当たり前」の光景、なくなるからってそんなに騒ぐもんじゃあないのかな・・・・と思いきや!土壇場になって「啓徳よ、さようなら!!」ムードが盛り上がってしまった様子。
6月くらいからは連日、九龍城近辺で上空に現われる飛行機をバックに写真を撮ったり、空港内で記念撮影する香港人が後を絶たず。7月に見た報道写真では、空港内駐車場に鈴なりになっている人の山。なんつー極端な人たち・・。

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滑走路と間違えるから、町中のネオンサインは点滅不可だったのは有名な話。
じゃあ空港移転したらOKなのかなあ?
その通り、今ではクリスマスや旧正月のイルミネーションは点滅するデザインが増えてきた。

今の空港は確かに綺麗。
でも、たまに昔の香港映画を見ていると、無性に懐かしい感じがする。実際、啓徳経験は2回しかない私でさえ。

sally小姐の友人の夫(H先生)が香港転勤になった為、日本にいる妻子から色々と渡して欲しい荷物を預かる。空港の免税で買った煙草(も香港では高いからね)と、なんとプレイステイション本体。
H先生「香港のTV見てても判らないし、家で暇なんだよね」との事。
これが現地香港人添乗員の目に止まった。(←彼は私達の送迎のみ)
開口一発「あ、プレステ!」
時期的に龍舟競賽(ドラゴンボートレース)をやってる筈だけどー・・「あー、海の方行けばいい。それより僕のプレステはねえ、海賊版のソフトでも動くように改造したんだ。普通は海賊版入れてもダメ。ソフトの安い所はねー」と、プレステの話しかしない。もうホテルに着いてしまったよ。
宿は尖沙咀の九龍酒店(カオルーン)ああ、交通の便がいい!前回が無駄に広い部屋だったので「まあ、なんて狭い部屋」と感想を述べる私達。


*本日の零食 *
いきなり大流行中のポルトガル風蛋撻。一個5蚊。
焼き立ての香りに誘われて、わらわら集まる人々。

雲呑麺世家の雲呑麺。
タイムサービスで一杯10蚊。

 

今回の目玉企画は「パンダバスのオープントップ巴士に乗ってみよう! 」

早速パンダバスに予約を入れる。
今夜7時、私達の泊まっている九龍酒店の前集合。よっしゃ!ディナークルーズなしでオープントップ巴士のみ、一人300蚊也。
あれ程見てて恥ずかしいものはないのだが、乗ってしまえばこれほど楽しいものもない!!

二階建て巴士の屋根がないだけでどーしてこんなに迫力あるかなあ!
それはひとえに、香港のあの建築構造のせい。縦に伸び続け、横に飛び出す、超立体空間。
客は100%日本人観光客でした。
まずは皆胸にパンダシールを貼られます。

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彌敦道を北上し、飛鵝山から九龍城へ、そして尖東へ戻るコース。(この後ディナークルーズが有る)彌敦道に出た途端「うわー!ぶつかる~」と皆うるさいうるさい。
信号で止まる度にギャーギャー。もちろん私も。
運転は相変わらず容赦なく荒いので、添乗員の「立ち上がらないで下さい。振り落とされます!って言葉は本気であろう。

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⬆︎この布団はいつからここに?そして、いつか落下する?

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奇声を発しつつ、何故か無闇に通行人に手を振り走り抜ける一団。飛鵝山で一旦下車。ここがまた凄い。飛行機が滑走路に降りる為、一直線の低空飛行に入るポイントなのだ。暗闇に木霊する日本人観光客の阿鼻叫喚。

記念撮影の後は遂に九龍城へ!ゴゴゴゴ、という雷音とともに飛行機のどてっ腹が真近に迫る。
乗客全員アホ丸出しで叫ぶ。叫び過ぎてむせる。
興奮覚めやらぬまま、巴士は帰路尖東へ。うわあ、楽しかったあ。啓徳がなくなった後の巴士のコースはどーなっちゃうんでしょう。

*本日の晩餐*
尖沙咀の厚福街の、更に路地の隅にある牛記麺家にて。店のおやじに呼び込まれて入る。店頭で丼ごと蒸している飯が旨そうなので食う。
肉のタタキ状のものを卵でとじ蒸した様な、wo旦牛肉、
鶏肉と椎茸の(以下同文)北茹滑鶏、どちらも一杯18蚊。

5月28號 お参りしましょ

*本日の早餐*
昨夜訪れた厚福街が気に入ったので、再び。
薄暗い路地にある粥の店、新記にて。
花生猪肉粥13蚊と油條5蚊。
粥は干し牡蠣、ピーナッツ、肉が入って具沢山。ちょっともたれる。
ガタガタの路地にテーブルを出している大排档スタイルで、食ってる横では朝のゴミ出し車が何度も往復。落ち着く。

 

天星碼頭から巴士に乗り、九龍城に行ってみよう。

 

まずは黄大仙へ。
お供えに使うセット(線香、蝋燭など。まとめて10蚊くらいで、黄大仙前にいるオババたちが押し売りしてくる)を持ち、見よう見真似で「拜神」やってみます。

 

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⬆︎sally小姐、線香に火を・・なかなか着かない。

その線香を額にあてるように三回振って、数本づつ差していく。
慣れないsally小姐がやると、妙に手付きが悪く、頭から自分の線香の灰をかぶるハメに。
予算もないし、占いはやってもらわなかった。つーか、占いを信じない二人なのであった。

ちなみに「拜神」は廟などへのお参りですが「拜山」は墓参り。
音程を間違えるとちょっとビックリされちゃいます。←それは私。
(どっちも「san」だけど、は低い音、は高い音 )

九龍城到着。
黄大仙前から巴士に乗って。
好きだなあ、巴士。
いつも二階の一番前に座ってしまうのですが。そういえばこの席にはシートベルトが着いているなあ。急停車したら窓を突き破って落下しちゃうんだな、きっと。
香港の定番の風景「町の頭上すれすれに見える飛行機」を見に来ました。これもあとわずかで無くなるのだ。

確かに5分置きくらいに、天上から轟音が響いてくる。音がどんどん近付いてきた、と思ったら機体が!これにいちいち反応してるのはもちろん私達だけ。住人のみなさんにとっては「日常」なのだ。
1920年代から始まった埋め立て、1936年には空港として機能していたが、1942年に香港を占領した日本軍が、周辺住人を強制立ち退きさせて滑走路の拡張工事をしたという。
目の前にある九龍城砦の城壁もこの工事の資材に使用。で、九龍城砦。今はすっかり小奇麗な公園と化している。
在りし日の姿を知らない私達おのぼり二人。後に当時を知っている友達に聞いてみました。
「中で遊んでも、そんなに恐い思いをした事はない。不法滞在者は確かにいたし、密輸や麻薬の取り引きもあったとは思う。要は重慶大厦と同じで、その場所のルールさえ知っていれば自分を守れる。無闇に写真を撮らない、変な好奇心で詮索しない。リスクを追うのが嫌なら近付かない。それだけ」
ふむ、なる程。今の私達の旅のルールと同じですな。


真夏のごとき炎天下、ずっっとこんな事してたら二人とも軽い日射病になってしまった。そ、そういえばさっきから飲まず食わずでしたな。アホだわ。
しかし店に入る気力も無いくらいに頭痛が。ホテルまで帰って、とりあえず寝る!ふらふら~。

夕方からは太子まで行ってVCD漁り。この時凝ってたのが阿Bこと鍾鎭濤。昔の温拿樂隊ものなどが欲しくて欲しくて欲しくて仕方なかったので、一点集中!見つけた途端に片っ端から買いましたとも。毎回3~40枚のVCDやCDを抱えて帰るはめに・・。

5月29號 家庭訪問

午前9時にH先生と太古站で待ち合わせ。
プレステと煙草などを渡さなければ。

H太太やお子さんが住む事になる豪華マンションを、先に私達が訪問。
広いなあ、綺麗だなあ。
太古は駅前あたりはニュータウン化しているが、ちょっと裏へ回ると下町の匂いいっぱいで良い所だ。H先生と三人でお散歩をする。

 *本日の午餐*
太古城中心のなかの酒樓にて。
H先生に飲茶を御馳走になる。朝から何も食べずに来たので旨かったです。ガツガツ食らったので一体何を食したのかすら、よく覚えておりません。

出勤するH先生と別れ、私達はトラムで北角へ向かいます。そこに何が有る?!香港明星生写真があるのだ!
 馬寳33商場という、なんの変哲もないかなり小さなショッピングセンター。が、ここは何故かごく一部の日本人の間ではとても有名な場所である。
大袈裟な・・って感じでしたが、実際床から天井までびっしり積まれた各明星生写真の圧倒的量の多さには、思わず帰りたくなってしまった。←帰るな!
sally小姐も頑張って張國榮を数十枚ゲット。
のんびり北角の町歩きもしてみる。近くには新光戯院。粤劇の上演でも有名な映画館。ああー、粤劇見たいなあ。

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この頃は竹で作った工事の足場すら新鮮で、何度見ても興奮した。

ピークトラムに乗って山頂へ。
車内はとんでもない傾斜がついて、耳がキーンと痛くなるくらい。
山頂は・・取り立てて何があるでもなし。ただの山のてっぺん。
sally小姐曰く「夜景だよ!夜景が絶対綺麗なんだって」そうかー昼間じゃねえ。又そのうち夜来よう。
帰りは巴士で帰ろうね、しかも中華巴士。
なんか今まで乗ってきたどの巴士よりも汚い!しかも下りの坂道がジェットコースター並!!次のカーブを曲がりきれずにこのまま落下するのでは?と思わせる。その辺のヘボ絶叫マシーンよりもすごい。
性懲りも無く二階一番前座席だから、かなり迫力満点。
そして私は見た!
バス停めがけて必死に走って来る老婆。無情にも発車する巴士。と、老婆は車道の真ん中に飛び出し、巴士に向かって走り続ける。「婆さん!轢き殺される!」さすがに止まったけど、かなり「寸止め」でした。
体はって巴士を止める婆さんも凄い・・(その後同じような光景を度々見る事になるのだ。子供にこれやらせる父親とか・・)
いつも前方の巴士と車間距離空けないで「寸止め」してる香港の巴士の運転技術はどうなのか。本当の所。

*本日の零食*
中環の沾仔記にて。
雲呑麺と魚球麺、各15蚊。雲呑でかくて蝦がプリプリ!魚球はさっぱり味で旨い。油菜は私の好きな菜心だし、メニューは少ないが味はいいので大変気に入った。

*本日の晩餐*


ホテル近くで持ち帰り。

これがお持ち帰りの伝票

「菜心」が「才心」だって。

「焼肉叉焼飯」が「玉叉反」。
略す上に当て字。

 

5月30號 雨

そういえば、 毎朝新聞買ってる割には全然映画見てないじゃない。今日こそは見ましょう。

*本日の午餐*
珍しく朝は抜きました。(寝てた、ずっと)
近所の茶餐廰にて。昼定食。各36蚊也。
B餐:鴨掌・・そう、例の「鳥の爪」と人参、木耳、筍があんかけ状になって飯にぶっかけてある。旨かったです。
C餐:同じくぶっかけ飯。具は骨付き鶏と、マッシュルームみたいなもの(枝竹とかなんとか書いてあったよーな)。これと油菜と飲み物付き。
香港の珈琲も紅茶も、なぜか激甘!甘いものがそんなに得意じゃない私は閉口したね。
こんな時は「走糖呀!」とか「走甜呀!」(砂糖は入れないでくれ!甘くしないでくれ!)とか言えば良かったらしい。

 

*本日の電影*
佐敦の新寳戯院にて『非常突然』
映画の中でもずっと雨が降っていて、戯院を出たらまた雨だった。
劉青雲の手堅い演技。結構私はハラハラしたんだ。
ラストにどっきり・・というか、そんなん有り?という感じ。
正に「非常に突然」でしたよ。面白くなかったわけではないが、後味悪い映画だったな。

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銅鑼灣の大丸でやっと香港通信5月號を買う。
もうこれで最後なんてなああ~。まだ電脳も持っていなかった当時の私は、これで香港のアレコレを知る事が出来たのだ。惜しい。
私もsally小姐も、どうやら大陸系のデパートが好きであるらしいと気付く。裕華に華潤・・・あのベタな雰囲気と品揃えが好き!!しかし、ここで買った鋏は切れない、ボールペンは壊れた。

*本日の晩餐*
H先生と共に。
「お二人に任せます」といわれても・・・・本当にいいんですかあ?いつも行ってるような所で、と、行き当たりばったりな茶餐廰にて。
「蝦とか鮑とか、ないんですかね」こんな所にそれはないです!そう、ここは茶餐廰。
頼んだ料理はいきなりアルミ鍋で出て来た。H先生の顔色が少し変わる。
でもここのおばちゃん、運んで来た時「鍋熱いから、気を付けて!」といってる側から自分が触って「あちっ!」
私に「小心呀~」(気を付けてねー)と言われて照れてました。
ちょっと気まずい雰囲気になった私達は、H先生を許留山へ連れて行きました。果たしてここは彼のお気に召した様子で、ほっ。
会計の際「チップはいらないんですか?」とH先生。
え、飯食ってチップなんてあげた事ない私達は絶句「こういう店ではいらないでしょう」

そういえば・・・・巴士で銅鑼灣に行く時、車中から「呪い婆」を発見した。
婆さんはこちらの「憎い!」と思う相手を呪ってくれるそうだ。相手の顔写真をサンダルで叩いたりして・・。恨みつらみのある方はどうぞ。
油麻地や旺角でVCD漁りをしていると、 暇なジジババはかまってくれる。
周星馳のシリーズ物電影、1と2は他の店で買っていて、ここでは3だけ欲しいのよ、なんて時も「あ、あんた!これは続き物なんだよー!1と2を買わないと」と探してくれようとする。待ってくれ!ああ、何て言えばいいのだ?!えーい「我有!」(持ってる!)
「ふーん、持ってるならいいけど」
香港懐メロ漁ってると「私は鄧麗君が好き。あとこれも。これもいい」ってどんどん押し付けてくれる。こちらの怪しい廣東語の発音を直してくれる。
「あんたはここで何がしたい?」と、常に興味を持ってくれる。

5月31號 今日でお別れ

短い滞在でした、相変わらず。
さらば啓徳空港。
ツアーの定めで、搭乗時間の数時間前にはチェックインさせられるので、今回は添乗員君に「搭乗ゲートに入ったと見せ掛けて」再び空港を脱出!
九龍城の町をあと少しだけブラブラしたいから

*本日の早餐*
いつものあそこ(近所の興發茶餐廳のこと)にて。魚片粥15蚊。

*本日の零食*
九龍城のパン屋で一個2蚊の蛋撻。
不味い。ボソボソ。
再見、啓徳!

まさかこの三ヶ月後にまた来る事になろうとは・・・。