DoubleMintGum

I'm a Feminist,Shipper,Slasher and Fan girl.

Double your pleasure Double your fun,With Doublemint Doublemint gum.

1998香港

1998年2月9號~2月13號

人生初の海外旅行です。まずパスポートの申請からして大騒ぎ。
インターネット環境もない、パソコン持ってない携帯電話も普及していない。
近所の旅行代理店で申し込んだパッケージツアーです。
ええ、海外初体験ですからね。

 

2月9號 初めての香港

 

1蚊(HK$)=約16.5円。 
全日空午前便。機内で前日の東方日報を読み盛り上がる。
お約束の香港上空から啓徳空港への離着陸にも、ドッキドキ!「うわあ!ほんとにぶつかる」と大騒ぎ。

啓徳空港では現地添乗員(香港人)がお出迎え。
送迎バスには私とsally小姐と善良な母娘のみ。
九龍城辺りから油麻地の風景を車窓から見るだけですっかりおのぼり気分。私達の泊まるホテルは尖東の海景嘉福酒店(グランドスタンフォード)である。
母娘は日航ホテルだというのに一緒にチェックインさせようとしている。おっかしーなーと思った側から「あなたたち、違うでしょ!ここじゃないでしょ!」と添乗員激怒。間違えたのは君や。母娘びびる。哀れ。

添乗員氏の「日本円から香港ドルに両替しましょうか?」の誘いも断る。
なぜなら、まず私達は地元・恒生銀行に口座を作りたいからだ。
口座を持っていれば両替の際も手数料がいらない。これから何度も来るつもりならあった方がお得であるらしい。
が、初めて来て、まだ地理にも疎かった。尖東から尖沙咀まで・・かなり距離が有るんだ、これが。最寄りの銀行を探すだけでもひと苦労。
しかもこの時点で二人の知ってる廣東語は「多謝、唔該、我係日本人、幾多銭呀、張國榮」このボキャブラリーをもってして銀行口座を開こうとは、いくら「旅行者でもすぐ作れる」とはいえそれは香港をなめすぎ。
案の定銀行員小姐とすったもんだの挙げ句(要領を得ない外国人相手にキレた彼女は、私達の目の前で他の電話に出てしまう)30分以上かかって口座開設。疲れた~。
ま、こっちも悪いので仕方が無いです。

←これがやっとの思いで作った恒生銀行の通帳

預金もしたし、香港ドルも持ったし、映画でも見るかね!
ホテル近くの戯院へ行こう。
周星馳映画もやってるし、これの為に来たようなもんだしね・・あれ、あれ?
財布がない!たった今両替えした私の全財産!
踵を返し、今来た道を見ると2~3メートル先にあった。中身も無事。
ああああビックリした!どきどきどきどき。多分この時、私と香港の相性が決まったような気がする。もう何があっても大丈夫なんだろうな、ここでは。


まずチェックするのが信和中心の場所。
昔日の面影はないようだが、それでも明星の生写真の山には充分感動いたしました。
どこか懐かしさすら覚えるこの空間。中野ブロードウェイに似ているような。


しかし、sally小姐はあのゴチャゴチャ狭いのがどーにも耐えられず「レスリの写真とグッズ買って。任せる!」と、店には入ろうとしないのであった。

佐敦の裕華でお土産のシルク製品などを買うsally小姐。以後ここの裕華がお気に入りになる。

初めての香港なので、町中の明星広告にいちいち喜ぶ。


←數碼通(携帯電話)の広告で張學友、周潤發、梁朝偉。

 

 

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⬆︎見た映画はこれ『行運一條龍』 右:1998年2月12號(星期四)蘋果日報
いいのか、こんなローカルギャグで?!と思いましたが、香港人が見るという前提で作られているんだから当たり前かあ。
実際、科白の細かいギャグを100%理解するのは(一回見ただけでは)無理なんだけど、戯院のいい所はその場の雰囲気で笑えるとこだな。腹抱えて大笑いしました。

⬇︎『九星報喜』はまだ上映してない。残念!

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⬆︎2月8號(星期日)東方日報
 

*本日の晩餐*
酒店近くの台湾鶏家荘にて、
涼祥茄子(22蚊)、春巻(24蚊)、青菜蝦麺(28蚊)、排骨麺(28蚊)、ビール×2(80蚊)

高い!!!大して旨くもないわ、サービス料とるわで失敗。しかも、ここ、湯(スープ)に鼠が入ってた事件起こしてるし。嫌だなあ、さすがに鼠は。

なので夜食はその辺の茶餐廳(南京小厨)にて。
←雪菜牛肉絲飯(28蚊)これのがよっぽど旨かった。てんこ盛りだし。

 

2月10號 ツアーはつらいよ

早朝から無理矢理オプショナルツアーに行かなければならない。
昨日逆ギレしていた現地添乗員氏、私達二人、善良な日本人夫婦でレッツゴー。
まずはお決まりのバス車内でのキーホルダー押し売りからスタート。途端に空気が重くなる。半日これに耐えるのだな。
タイガーバームガーデン、浅水彎(レパルス・ベイ)、ピーク(何故か中腹まで)ああああ判っちゃいるが、どーもこの中途半端なツアーにいらつく。
朝から何も食ってないのに「観光が終わったら飲茶ですから」って、早くメシ食わせろー。
しかしこの後、皮革工場、貴金属工場、シルク工場へと引きずり回され軟禁される。このマージン収入が命なんですから向こうも必死です。が、こっちも本当に何にも買わなかったからね。これが嫌ならツアー参加は止めるべきだなあ。時間が勿体無いもんなあ。飲茶も激マズ・・でも極限まで空腹だったので完食しました。

解放された午後からは飛ばします。
この時はまだ香港に知り合いもいなかったし、不慣れなのもあって無駄に歩き回りました。目的の店行くのに周囲をグルっと一周したり、アホかと。

sally小姐は上海灘にはまりました。
この時は
←こんな色のマオカラーのジャケットとかショッキングピンクのマオカラー・シャツなど買いまくってた。 


私はもっぱらVCD、CD、明星生写真に走る。しかし、灣仔の東方188商場は既に日本ものと海賊版に荒らされていて収穫なし。

どーしても我慢出来ず、半島酒店(ペニンシュラ)のトイレに入ってしまう。
小銭がなくてチップ10蚊も出してしまった。今ならもう町中の公衆トイレもOKな私達なのに!

→天星小輪(スターフェリー)乗務員の制服。
昔は売ってたらしい。いいなあ。欲しかったなあ。
夏は半袖になる。 ちなみに天星小輪乗務員て、ほぼ世襲制らしいね。

*本日の晩餐*
尖沙咀の茶餐廰にて。定食。
魚の唐揚げ風(私のメインはポークステーキでした)、恒例の油菜(青菜)、白飯、凍珈琲、以上で一人40蚊。
翌日が、香港人の9割が命懸けだという競馬の日であった為、店に入っても店員みんな予想に夢中です。
相席になった先生は、何食おうかー、なんてこちらの会話を聞き私達が日本人であると勘付いていたらしいが、競馬で頭がいっぱいの店員の方は気付く術もなし。
カタコト廣東語で注文した途端、何か聞いてくる。
ナニ?それは私の乏しい語彙では理解出来ない!
と、相席の先生が助け舟を出してくれる「ベジタボー!!」
え??ナニ?ますます判らん。店員すっ飛んで厨房から、芥蘭、菜心などを持って来る「青菜の種類は何にする?」と聞きたかったのだ。
おかげで以後どの茶餐廰でもこの会話だけはスムーズにいけるようになったよ!!
(ちなみに油菜を注文すると、「食o羊o野菜呀?」=野菜の種類は?と聞かれるので、
「有mou菜心呀?」とか「通菜、唔該」「有o羊o野菜呀?」とか、お好みで注文しましょう)
で、厨房の中からおじちゃんまで出て来て「何だ何だ、何があった」「こいつら日本人なんだよー」と、尖沙咀で商売しててそんなに珍しいのかい?!
急に競馬ではなく、私達に興味を持ちはじめる彼らであった。

2月11號 為你鐘情へ行こう!

 

 

←2月14號情人節(バレンタインデイ)発売という事で買えなかったレスリ(張國榮)の新譜。

 

 

今日はレスリのカフェ「為你鐘情」へ行きます!

 

 

 

 

 

 

*本日の午餐*
中環のフェリー乗り場にある美心快餐にて。
鶏粒八豆腐折、時菜雙茹牛肉、例湯、白飯で25蚊。
肉体労働者たちに混じり、ベンチで海を見ながらランチ、と洒落てみたつもり。
なんだけど、どーも周囲の労働者諸君からはジロジロ熱い視線で見られてました。
確かに妙齢の婦女子はここでは食わねえんだろうなあ。

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初心者らしく、定番の 「中環で長ーいエスカレーターに乗ってみよう」もやりました。さすがに途中で飽きたので引き返してきました。
果たして、お目当てのレスリの店を発見。そこはアイスコーヒーが一杯40蚊もする、日本にはどこにでも有るただの喫茶店でした。
が、そこはそれ、展示してあるあの「紅い靴」と写真に収まらなければ気が収まらない。デカかったですハイヒール。
日本人迷しか来ないのでは?と思わせる程ガラガラ、良く言えば静かで落ち着く店内を出ると、やはりいたいた!日本人女性が店頭で記念写真を撮っていましたよ。
もちろんうちらもやったがな!!!

引き続き、近くの皇后飯店へ。せこくも店には入らず写真だけ撮る。と、そんな私達を哀れに思ったのか何なのか。店からジェントルメーンな人が出てきて名刺をくれた。
マネージャーですと?!一体あれは何だったのか。

 

*本日の零食*
銅鑼彎・百徳新街で燕の巣入り蛋撻(8蚊)を食す。
一体何処に燕の巣が??といった食感。

 

*本日の電影*

總統戯院で『古惑仔'98龍争事門』
あまりよく覚えていないんだが・・・このシリーズはこのまま自然消滅したんですかね?
李修賢はお約束の刑事役でした。
舒淇は一昨日見た映画にも出ていたなあ。
總統戯院は、無駄に広い古い戯院でおつな感じ。
何で戯院には体重計が有るんだろうなあ、と気になり始める。

 

*本日の晩餐*
尖東近くの金潮茶餐廰!おのれ!不味い!!!名前覚えたぞ!どれもこれも味濃すぎて、味精使い過ぎ!ニ度と行くものか!

酒も高いよね。もう外では飲まない。スーパーでビール買い溜めして部屋で飲む。

夜12時頃、廟街へ繰り出す。
天后廟より北(油麻地方面)は何だか寿町と同じ匂いがする・・・・と思ったら、それはおやじの立小便の匂いでした。
懐かしいような、ほっとするような、ワクワクするような。香港へ来て一番しっくりきた場所だった。

 

2月12號 カード没収

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紅館(香港コロシアム)ではもうすぐ鄭伊健の演唱會が。
sally小姐、かなり見たかった様子。いつか紅館で何か見たいねえ、と殊勝な事を言う二人であった。

初日に作った恒生銀行のカードは大変便利。
ATMは24時間使えるし、時間外手数料なんて取られないし。大金を(って、そんな大金持ってないんですが)持ち歩かないで良い。

しかし6ケタもあるお仕着せの暗証番号を覚えきれない!
「あんまり番号間違えるとカード取られるよ」とは言われていたんだが・・その日がこんなに早く来るなんて!
九龍酒店脇のATMでちょーーーっと暗証番号間違えただけなのに、カードはもう出てこない。
後に見た映画『甜蜜蜜』の中で、おのぼり黎明がカードをATMに吸い込まれてしまうシーンがあった。判る、判るよあの気持ち!途方に暮れるよなあ!焦ってATMを設置している上海銀行に駆け込む。
「私の恒生カードが出てこない」旨、身振り手振りと英語で伝える。
「では明日の午後1時に来て下さい」
「NO!明日10時には帰るの!」
「では朝9時に来て下さい」

 

2月13號 拜拜、香港

銀行でカードを返してもらう際「はい、この中のどれ?」って感じでズラーーーーーーーっと並べられたカード。
こんなに吸い取られてるんですか、みんな!
銀行員小姐曰く「あなたは暗証番号を間違えた!」ええ、判ってますんで。

朝の廟街が見たくて油麻地へ。
小腹が空いて、適当に入った茶餐廰が印尼(インドネシア)茶餐廰だった。店員も客も印尼人。
ついでにメニューの字も読めないので、食べてる人のを指して「これと同じの下さい」
見た目あっさりのビーフン(20蚊)は、油ぎとぎとでした。

 

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⬆︎天后廟のぐるぐる線香。
でかいのは燃え尽きるのに何日もかかる。頭上注意。灰が落ちて来る。


香港の街角には物乞いの人が多かった。人の出入りが頻繁な地下鉄の乗り場近辺に集中しているが、彌敦道沿いにも多い。最近では日本でもほとんど見掛けない光景となってしまったけれど。よくある偏見で「ホームレスは好きでやってる世捨て人ある」とか「物乞いは三日やったらやめられない」などがあるが、印度の修行僧じゃないんだから、本当に自ら選んでやっている人はほとんどいないのです。
人生の選択権すら剥奪されている上に、存在を否定されているかのような扱い。この人たちに拠り所となるコミュニティーは有るのだろうか。

さらば香港、初めての香港。

この三ヶ月後にまた来る事になろうとは・・・・。