映画『朴烈』
日本語タイトルが『金子文子と朴烈』
2019年2/16の公開初日には、渋谷シアターイメージフォーラム前に右翼の上映妨害が来たという。
昨日は「戦争の加害パネル展」に行っていたので、TwitterのTLでそのことを知った。
「朴烈」1923年に東京で起こった6000人の朝鮮人虐殺を隠蔽しようとする日本に立ち向かった朝鮮一の不良青年・朴烈(イ・ジェフン) と、彼の同志であり恋人である金子文子(チェ・ヒソ) の信じ難い実話を描いた作品だ。https://t.co/g93k9fQQEC
— LIN 욘욘슨 (@linlinsz81) 2017年7月3日
RT 映画『朴烈』映画祭だけでなく一般公開もあるのかな?新宿梁山泊のメンバーも関わっているんだよね。
— LIN 욘욘슨 (@linlinsz81) 2018年1月31日
正直なところ、この映画の日本公開はないだろうな、と思ってました。
いや、むしろ日本映画が金子文子の半生を映画化しないとだろ。
なのに「無理だろうなー。あり得ないよなー」と言わせるのが日本の酷いところですね。
日本語タイトルに、原題にはない金子文子の名前を入れたのは良かった。
まさに金子文子というアナーキーなフェミニストの映画だった。
ぶっちゃけ文子なんでそんなに朴烈に惚れたの????と思ってしまいましたけどね…チェ・ヒソの文子が最高であったし、女を黙らせようとする男どもに「黙れ!うるさい!」と啖呵を切る文子が最高であったし、思想も哲学も誰かの受け売りではなく自分で得て体現した文子が最高であった、のだが。
96年前のあの日から何が変わったんだろうか。
映画で描かれている状況と現在は全く同じ…いやもっと悪化してないか?
そりゃあ30年前から「南京大虐殺はなかった」って言い張る連中はいた。ずーっといたよ。
でもさー、関東大震災時の朝鮮人虐殺はなかった、強制連行はなかった、世界遺産に認定された軍艦島での強制労働はなかった、戦時性奴隷(いわゆる日本軍「慰安婦」)はなかった、ちょっとはあったかもしれないけど謝罪はもうしたから終わった、終わった話をいつまでも蒸し返すなんて卑怯、だから◯◯人は!そんなに嫌なら日本から出て行け、国に帰れ、でも低賃金で働かせたい、税金はとるけど選挙権はあげません、とかさー。
ひどくね?
昨日の「戦争の加害パネル展」で感じたものが更に強くなりました。
映画の中でも再三「日本の権力を憎むが民衆は敵ではない」という台詞も出てくるし、国家権力に搾取され殺される市民同士の連帯はより強いものになっていると思う。
しかし現状の日本が絶対に向かってはいけない方向に突っ走っていってるのを感じているし、俺自身がいつ殺されるかわからない恐怖をとても強烈に感じて生活しているセクマイなので「あー楽しかった!」とスッキリ爽やかな気分にはなれなかった。
なんかあの映画を見た時と似たようなモヤモヤが…
あと、今買ったパンフレットを開いて愕然としたんだが…なんで鈴木邦男がコメント寄稿してんの?!?!…ないわ…背筋が凍る思いだわ…ないわ。
2017年8月 金子文子と朴烈の裁判記録を読んだ
2018年9月
昨年の「描かれた朝鮮人虐殺と社会的弱者」展でも、もちろん金子文子と朴烈についての展示や資料もあった。